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3度クビになったボビー・バレンタイン監督

千葉ロッテマリーンズのボビー・バレンタイン監督は、「パ・リーグのお荷物」と呼ばれた弱小球団を、監督就任わずか2年目で31年ぶりの日本一に導いた。「ボビー・マジック」と呼ばれる、変幻自在の采配術とは?

執筆者:角田 正隆


千葉ロッテマリーンズのボビー・バレンタイン監督(55)は、「パ・リーグのお荷物」と呼ばれた弱小球団を、監督就任わずか2年目で31年ぶりの日本一に導いた。「ボビー・マジック」と呼ばれる、変幻自在の采配術とは?

1シーズン18回退場した熱血監督


「コノチームハ、イチバンデ~ス!」

ボビー流
ボビー流』ボビー・バレンタイン (著)
ボビー・バレンタイン監督は、“ガイジンさん”のイメージそのままのカタコトの日本語で、31年ぶりの日本一を奪取した感激を叫んだ。

自らの思いをややオーバーぎみにぶつけてくる監督に、ファンも大きな歓声で応え、愛情を込めて彼を「ボビー」と呼ぶ。ロッテの地元・千葉には「バレンタイン神社」がまつられ、試合中に何度も「ボビーコール」が起こるほどの人気だ。

ファンとの絆の深さも、監督の努力の賜物である。試合前、ベンチ上のスペースをファンに開放。選手に気軽にサインをねだれる「サインスペース」とした。日本でプレーする外国人選手と日本人選手との交流試合を提案したり、今年の日本シリーズでは「予告先発」を阪神・岡田監督にもちかけた。

オフは行動自由

選手に対してもサービス精神たっぷりの監督だ。ことあるごとに選手を称え、好プレーを演じた選手に最大限の祝辞を贈る。「よく振れていたね」「ホットだった」など、彼の語録イコールほめ言葉といっていい。もちろんオフの行動は選手の自由としている。

バレンタイン監督は強烈な「激情家」でもある。大リーグの監督時代、1シーズン18回の退場記録を持つ。これも選手を大切に思う気持ちの表れか。

人間味あふれる指揮官としての情熱的なリーダーシップも、負け犬根性が染み付いた弱小集団を短期間で立て直した指導術の1つだろう。

だが、サービス精神や情熱だけが、年間140試合以上のペナントレースを勝ち抜き、日本シリーズで歴史的な圧勝を生んだ「ボビー・マジック」ではない。

“マジック”なるものの正体は、緻密なロジックの積み上げなのだ。


>>その明るいイメージと正反対なクールな指導術とは?

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