キャリアプラン/キャリアプラン事例

パソナ南部代表の人心掌握力(3ページ目)

パソナの南部靖之代表は、営業先・社員・メンターなど、周囲の人を味方に引き入れる力を持っている。その人心掌握力とメンター論に迫った。

執筆者:角田 正隆

パソナオーツー
パソナオーツー」の地下棚田 オープン時間中は、誰でも中を見学できる。
南部:「パソナはかなり以前から、元気のいい若手を採用する一方、高齢者や女性を積極的に採用してきました。お茶を楽しむ『三煎』という飲み方があるのですが、お茶葉はまずぬるま湯でその甘さを味わい、次に熱湯でカフェインを抽出して苦味を出す。最後にお湯でタンニンを引き出し、最後に渋いお茶を楽しむことを言います。この言葉のように、パソナは多様な人材の価値を尊重しています」

周囲を味方にする人心掌握力

もう1つ、南部流リーダーシップの魅力は、社外の人間をも味方に引き込んでしまう懐の広さだと思います。

創業間もない頃、営業に走り回っていた南部さんは、人材派遣という仕組みの素晴しさを、大手企業の人事担当者に訴えていました。

「周囲を味方に付ける力が必要」
「周囲を味方に付ける力が必要」参考記事『ベストセラーよりロングセラー』 
最初は、なかなか理解してもらえませんでしたが、何度も説得するうちにその思いが通じ、最初の取引先は何と関西の名門企業「阪急百貨店」でした。オーダーは頂いたものの、初めての案件ということで、人選や人材採用のノウハウがなかった南部さんに、阪急百貨店の人事担当者は「採用を手伝おうか?」と手伝いを買って出たといいます。

基本的に南部さんと人事担当者は、「業者と顧客」の関係のはず。しかし、熱意がその壁を破ったのでしょう。顧客すら自分の味方に引き込んでいるのです。

南部:「大義をまっとうする上で、周囲の人を味方に付ける力は、とても必要な能力だと思います。まれに『俺が、俺が』といって、何でも自分でやって成功する人もいますが、自分で何でもやる必要はないと思います。周囲に感謝の気持ちを持って、長く愛される『ロングセラー』を目指すべきではないでしょうか」

「若い人には特に『格好つけるな』と言いたい。できないことをできるなんて言っちゃダメです。実るほど頭の下がる稲穂かな。上に立つ人ほど謙虚さが必要です。どれだけ頭が切れる人でも、謙虚さがなければ、誰も助けてあげようとは思わないのです」

>南部さんには「3人の師(メンター)」がいる

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