キャリアプラン/キャリアアップの方法

「買い!」人材になる5つのプロセス(2ページ目)

40代前半は「キャリアの危機」と呼ばれ、仕事や人生の折り返し地点が過ぎ、将来に対して漠然とした不安感に苛まれるのもこの時期です。この世代に向けたキャリアプランを考えてみましょう。

藤田 聰

執筆者:藤田 聰

キャリアプラン・リーダーシップガイド

3.未来の姿(在りたい姿や理想像)を具体的に描く

現実的なイメージが現実のものになる
3番目の手順は、目指すべきゴールイメージを明確化する作業です。イメージトレーニングなどはアスリートの間では一般的なように、イメージすることはとても重要です。”思考は現実化する”という言葉があるように、イメージ出来ないことは基本的に現実化出来ないからです。

そうであれば、現実的なものよりも少々高い設定をすることが求められます。ただし、高すぎても夢物語で終わってしまうので、ジャンプすれば何とか手が届きそうな設定をイメージ(これをストレッチ目標といいます)します。ちなみに、ストレッチはコミットメント(成果について責任を持つこと)と同様、企業再生を果たした日産自動車の共通言語です。

40代ということを考えれば、ワークライフバランスをきちんと考える年代です。20代、30代の方は、あなたの背中を見ています。彼らにとって理想的なモデルとなるように、仕事のみならず、家族や地域社会との交わり、趣味の世界など、バランスよくイメージしましょう。

今後は経済的な側面に加え、社会的な側面や文化的な側面においても、一人の人間として問われていくことも想定していきましょう。

4.戦略を策定し、実行する

3のゴールイメージが具体的に明確化出来れば、次はどうすればそこに辿り着けるかを考え、アクションプラン(戦略)を策定することになります。

あなたは船に乗って航海しているとイメージして下さい。目的地が在りたい姿やビジョンです。直線的に進んでいきたいのですが、波や風の影響を考えながら針路を決めていかなければなりません。眼前に突如大きな岩が現れたり、嵐で視界が全くきかないこともあります。

様々な逆境に立たされることも想定して、どのようにそこで対応するかが乗り越える重要なポイントとなります。どのような戦略を取るかはその時々の環境的な要素を的確に捉え、最適な選択をするのは経験に基づく判断力が発揮されます。40代の強みは記憶力ではなく、判断力なのです。

悲しいかな記憶力は40代を過ぎると低下していくものです。しかしながら、蓄積された経験による判断力、意思決定能力こそが20代、30代の方々よりも優位性のある能力なのです。

5.現状維持か、転職かを意思決定する

このような一連のステップを踏まえ、今度どう生きたいかを考えます。自分にとって、現状維持がよいのか、社内での異動がよいのか、新天地への転職がよいのか、キャリアチェンジや起業することがよいのか、冷静な眼で判断することでしょう。家族や信頼のおける友達、先輩などに相談することも大切です。

今後は労働人口的な見地より、70歳位までは働く社会になると思います。転職を選択される場合、中高年の転職では、7・5・3(しちごさん)と言われております。これは現年収と比べ、良くて7割、普通で5割、悪くて3割という意味です。

40代でも今後は従来の中高年の転職と同じようにシビアに考えないといけないでしょう。よって、感情的なことでの意思決定はかなりのリスクがあります。先に記したように、一番良い転職は是非とも来て欲しい!という状態までの実績と能力を蓄えること、つまり、「顔が見える個人」を目指すべきだと思います。

社内のみならず、社外でも評価されるような突出した成果を出す人材になるために、感度の良い20代、30代の社員の方々と同様、WEBを通して情報発信をすることを行動習慣とされることをお薦めいたします。そうすれば、結果的に貴重な情報が受信できるようになるからです。

■参考WEBページ
「ワーク・ライフ・バランス」推進の基本的方向 中間報告
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