繁盛店を生んだイマジネーション力
▲新業態『トーキョールー』カレーなどルー専門店 |
今から考えてみれば、無添加・ヘルシー・清潔な店内といったコンセプトは、ヒットして当然だったかもしれません。しかし、参考とするモデルがない中、三菱商事で建設やITの部署を経験した遠山さんが、『スープ ストック トーキョー』を思い付いたのは、とても意外に思えるのです。ここでは遠山さんの「発想力」について迫ります。
自分の真価に気づく
三菱商事から「日本ケンタッキー・フライド・チキン(KFCJ)」に出向した遠山さんは、高速道路サービスエリア内でのKFC出店などを担当していました。しかし、自分の真価を発揮できるのは「KFCJの内部では思いつかない、新しいものを生み出すこと」だと考え、定時が終わった後で新しいビジネスプランを練っていました。
▲『トーキョールーのメニュー』ルーには徹底的にこだわった |
そこで考えたのが“低投資・高感度”というキーワード。店舗はコンパクトなスペースに、既製品などを活用しながら「低投資」でまとめ、その分センスや知恵などの「高感度」でカバーする。このキーワードに合致する業態を模索していました。
その答えは、思わぬ場面で導き出されました。
遠山:ある日、行きつけの小さなレストランに友人と集り、食事を楽しんでいました。集ったのは3~4人の女性とグルメ番組のプロデューサーなど。楽しくしゃべっているうちに突如、「女性が1人でスープを飲んでいるシーン」が頭に浮かんできました。
「スープっていいかも!」と直感した私は、それを周囲の友人に話し、その場で大いに盛り上がりました。これが『スープ ストック トーキョー』の構想が生まれた瞬間だったのです。