語らないプレゼン
▲『スープ ストック トーキョー』の店舗 |
プレゼンの前に、企画書『スープのある1日』とビジュアルポスター、店舗イメージのCG写真といった資料を、出席者全員に事前に送付し、当日までに読んでいただくようお願いしました。
そして当日は、全体イメージと、生活者の視点からの「こんなのあったらいいね」、運営側からの「スープストックをやるメリット」といった点について、簡単におさらいしただけでした。
A4で13ページもある企画書を細かく説明していたら、説明が長くかかってしまい、冗長な印象を与えてしまいます。むしろ『スープのある1日』を読了してもらったときの「ちょっと面白いかも」という印象を“分解”させたくなかったのです。
その後、何件か質疑応答はありましたが、当時のKFCJの社長は「とりあえず事業化調査に進め」と、その場でゴーサインを出してくれたのです。
「紙」に語らせる力
▲大手コンビニなどで、缶スープも発売された<冬季限定> |
とはいえ、億を超える投資をたった1回のプレゼンで承認してもらうのは、やや無理があるかもしれません。そうであれば、あえてプレゼンの場では語らす、考え抜いた「象徴的な例え話」や「分かりやすい具体例」などは、しっかり企画書に盛り込み、相手に何度も見直してもらうことによって、印象を何度も焼き付けた方が得策かもしれません。
イメージを固定化できる紙の力は、やはりあなどれません。あえて「口で語らず、紙に語らせる」プレゼンも作戦のうちではないでしょうか。
アナログ vs デジタル
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一方、遠山さんの発想法や企画書は極めて“アナログ”。「こうなったらいいな」というストーリーや、『秋野つゆ』さんのようなキャラクターに、企画への思いを込めています。
ケース・バイ・ケースで使い分けるべきでしょうが、デジタル思考の場合は「平凡な結論」に落ち着いてしまう傾向があるように思えます。ゼロから新しいものを生み出すとき、遠山さんの“アナログ”な企画術が、真価を発揮してくれそうです。
株式会社スマイルズ
代表取締役社長 遠山 正道氏 プロフィール
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