キャリアプラン/キャリアプラン事例

乙部綾子さんが語る「広報の使命」(2ページ目)

日本一有名な広報担当者・ライブドア乙部綾子さんに「広報の仕事」について語ってもらった。ライブドアをメディアに注目される企業にした舞台裏が明らかになる!

執筆者:角田 正隆

用語が分からなくても、成せばなる! ブログでIP電話スカイプが紹介されていた 

堀江社長のリクエストはたった一言だった

―――入社当初、堀江社長から何かリクエストはありませんでしたか?
乙部:堀江が言ったのは「取材を増やして」。ただそれだけです。

―――見事に増えましたよね。でも御社はIT企業で、難しい用語が多く苦労したのでは?
乙部:最初は用語の意味が、さっぱり分かりませんでした(笑)。でも成せばなりますよ。

―――本人の意気込み次第ということ?
乙部:私が入社した初日、上司に「私は最初、何をすればいいのでしょうか?」と聞くと、上司の答えは「自分で考えてくれ」でした。

それで私は堀江の名刺を全部ひっくり返して、片っ端から記者さんに「当社を取材してください」とお願いしました。すると向こうは「じゃあ何を取材するの?」と聞いてきました。そこで私は何も答えられなかったんです。「あ~。私はやっぱり何も分かっていない」と、そのとき思い知らされました。

社内取材からスタート

乙部さん愛用の手帳&携帯電話 スケジュールがギッシリ詰まっているのだろう ブログを見ると土日もない様子だ 
そこで私は各事業部の役員にアポイントメントを入れて、その事業部が何をしているのか、「小学生にも分かるように説明してほしい」とお願いして、事業内容を教えていただいたのです。私はそれを全部メモして、ノートにまとめました。

その次に私は、媒体の勉強をしました。会社にIT系の雑誌も置いてあったので、まずは自分で読みました。でも読んでも分からないんです。チンプンカンプンで、眠くなりましたもの(笑)。そこで見出しを読んで、媒体が何を言いたいのか理解するよう努めました。

すると事業部ごとに、必ず取材してくれそうな媒体があるのが分かったんです。そこで記者さんに「今度、当社の事業部でこういうことをするから取材しませんか?」「この事業部はこんな風に面白いんです」など、取材のアポを取り付けました。

その上、取材に私も同席して担当者が記者さんに話しているのを聞けば、さらに勉強になるじゃないですか。

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