キャリアプラン/キャリアプラン事例

苦境を救った「ひとこと」(7ページ目)

人間誰しも壁にブチ当たり、それを乗り越え大きくなる。しかし、壁が大きいほど悩みも深く、絶望感すら感じるときがある。そんな苦境を救うのが、思いがけない恩師や仲間の「ひとこと」だ!

執筆者:角田 正隆

「あなたの熱意に負けました。提携してみましょう」相手と同じ視点に立った提案で、人を動かす手ごたえをつかんだ
ディー・エヌ・エー 代表取締役社長 南場 智子氏

ビッダーズHP
ネットオークション大手「ビッダーズ」などを運営するDeNA南場智子社長は、2005年2月、念願の株式上場を果たした。彼女は同社立ち上げ以前、世界有数のコンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーで最年少パートナー(役員級)に就任した一流のコンサルタントだった。

順風満帆の人生を歩んで来たように見える彼女も、一流コンサルタントの座をつかむまで、何度か大きな壁を乗り越えてきたのだった。

最初は転職も考えた

「面白そう」という理由だけで、マッキンゼーに新卒入社した南場さん。必死になって成果を残そうとしたが、気持ちだけがカラ回りするだけで結果に結びつかない。

2年目、「逃げるように」ハーバード大学にMBA(経営学修士)留学して、再びマッキンゼーに戻ることになるが、帰国後最初のプロジェクトで思い通りの結果を残せなかった。「やっぱりダメだ」。ついに彼女は転職活動を開始、その旨を会社に告げた。

手ごたえをつかむ

ところが会社側は、「次のプロジェクトまで残ってくれ」と強く南場さんを慰留。意外だったが、「これで最後」と思い、結局プロジェクトに参加することにする。

最後のプロジェクトも、これまでと同じように結果らしい結果も出せそうにもなかった。だが、「これで最後」だと思う気持ちがリラックスさせたのか、これまでのように「なんとかしなきゃ」とは力まなかった。自然と周囲の先輩を頼りながら、なるべく正しい結論を出そうと心がけた。するとお客様に満足してただける結果を残せた。

「今まで『自分が自分が』という気持ちが強いあまり、お客様に喜んでいただくという基本を忘れていたのかもしれない―――」

「ふっきれた」南場氏は1つの手ごたえをつかむ。その後は出世街道まっしぐら、優秀な人材が集るマッキンゼーの中で、史上最年少パートナー(役員)への昇進を果たすことになる。


>南場さんが乗り越えるべき「壁」とは?


南場 智子氏 プロフィール

新潟県生まれ。86年マッキンゼー日本法人入社。90年ハーバード大MBA取得、同年マッキンゼー復帰。96年同社パートナー(役員相当)就任。99年ディー・エヌ・エー設立、代表取締役社長就任。
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