▲三木谷氏はオヤジたちと“握手”した |
おそらく三木谷氏は、下図のように考えたのだろう。
「プロ野球に新規参入したい」
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「審査委員会の承認を得る必要がある」
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「球団オーナーにアピールすべき」
審査委員会は実質的に、球団オーナーたちの意向が色濃く反映される。球団オーナーたちが「NO」と言えば、目的は達成できない。三木谷氏は、(1)ヒゲを剃り (2)スーツを着込み (3)財界人を集め、オヤジたちを「YES」と言わせる材料集めに走ったのだ。
目的を見失うな
▲ディフェンスを切り崩せ |
ここで三木谷氏に学ぶべき点は、「目的を追求する」というひたむきな姿勢だ。目的を明確に見据え、乗り切るべき障害を見極める。何が1番の障害か判断を下し、その克服にストレートに立ち向かう。そのまっすぐな姿勢がオヤジたちの心を動かす。
目標を定め行動するという意味で、キャリアプランニングにも共通する部分が多い。しかし、「忙しい」「資金がない」などと言って、大きな障害を克服できないと悩みを聞くことがある。三木谷氏は、こうした「自分自身に言い訳する人間」を嫌う。なぜなら言い訳を言うのは簡単で、これでは何も前進しないからだ。三木谷氏の人材に関する考え方
新興のベンチャー企業にとって、球団オーナーが牛耳るプロ野球新規参入のハードルは高い。しかし、球界の体質がおかしいと批判しても、球界参入はますます遠のくばかり。まずは球界参入を果たし、結果で変革を起こすという手段もあるのだ。
一時的な苦難も次に繋げてしまう、三木谷氏のキャリア術については、別記事で詳しく掘り下げるとして、“オヤジキラー”としての三木谷氏をもう少しフォーカスしたい。
球団オーナーの多くを占める「サラリーマン経営者」とは違う、個性的な「オーナー経営者」を三木谷氏はどのように扱ったか。