宿泊できる瞑想空間
先日、新潟にある光の館に行ってきました。ここの照明はジェームズ・タレル氏というアメリカのデザイナーの手によって瞑想のためのゲストハウスとして構想されています。
和風建築のなかに浴室や天井が開閉する部屋などに照明の仕掛けが施されており、とても興味深い空間です。和室は3つあり全体に調光装置つきの間接照明で明るさの変化や雰囲気が楽しめます。それらの部屋ではジェームズ・タレル自身が調光器のスイッチ目盛りに推奨する明るさの位置を示しています。その位置にあわせて部屋の明るさを測定すると、主要部で5ルクス前後の照度が得られました。
この明るさは第一印象で言えばとても暗いと思われますが、実際体験してみるとそうではないのです。電球色蛍光灯の光が木の天井に反射して得られた5ルクスがとても暖かく心地よいのです。
この光の館は少し高台に位置して周辺には建物がなく、夜になると真っ暗闇です。そのような暗さに眼が順応しているため、5ルクスが都会で体験するのと違った明るさ感になっていることも事実です。
そういえば以前、禅寺の座禅堂の明るさやスペインの教会の礼拝堂の明るさを測定したとき同じように主要部で5ルクスくらいであったことを思い出しました。情景にもよりますが、もしかしたら5ルクスという明るさは、眠くならない程度で瞑想に相応しい光量なのかもしれません。
天井が開閉し、空の変化を楽しめる |
30分後 |
1時間後 |
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