ストレスと照明


写真1.満月の夜
ストレス社会と言われ、さまざまなリラクゼーション施設が流行していますが、今回は光が心身に与える影響に焦点をあててみましょう。

先日(社団法人)照明学会で「ストレスとあかり」についてのアンケート(男性209人:女性295人 10代~60代)を行いました。

癒されると感じる光の種類は?という質問に対して半数以上の人が夕日や月明りなど夕方から夜にかけての自然光を挙げていました。また、キャンドルライトも6割と癒し効果としての人気が高く、炎のゆらめきに魅力を感じるようです。反対に人工光の癒し効果はあまり期待できず、蛍光灯やLEDの評価は低く、もっとも高い、と言われる白熱灯でも2割程度でした。あかりの色についても夕日やキャンドルライトを連想させるオレンジが8割近くと飛びぬけて多い結果が得られています。

屋内労働者が増加している今日では一日中、人工光の下で過ごすという人が大半です。昼間はオフィスや学校の蛍光灯の下で視作業を行い、夜も煌々と明るい部屋でテレビを見て過ごすという生活では、目を酷使しているとしか言いようがありません。アンケートでも肩こりや眼精疲労を感じるという人が多く出ていましたが、このような生活をしているからではないでしょうか。


写真2.冬のルイジアナ美術館(デンマーク)
また人間の体には一日のリズム(生体リズム)があり、体温やホルモンのバランスも変化しています。朝から日中は明るい光の中で活動し、夕方から夜にかけては徐々にあかりを落とし休息に入るのが、本来人間の体に合った生活といえます。そのリズムが狂ってしまうと心身の健康にひずみがでることになります。

北ヨーロッパの緯度の高い地域では、冬は日照時間が短くうつ病や自殺が多いことは良く知られています。私も冬至の頃に何回か北欧を訪れたことがありますが、午前9時を過ぎてようやく日が昇り、午後の3時過ぎには暗くなってしまうので、そのような光を何日か浴びているうちにさすが明るい太陽の日差しが恋しくなりました。日照時間が短い地域では冬場に、顔面部だけでも人工照明を一定時間当てる治療法も行われていて、成果が認められています。

次の頁では、心身をリフレッシュさせる方法を考えてみましょう。