調光機能を持った行灯
写真3. |
実は、この器具は灯りの採れる灯火部と灯火部を支える木の箱から成っています。木の箱の一面に三日月、もう一面に満月の形が切り取られています。通常は箱の上に灯火部を乗せて使用します。明るさをろうそくの光で測定しましたが灯具の近くでも1ルクスに満たないほの暗いものです。灯明皿を出し入れするために灯火部の一面が開くようになっていますが、その状態で1ルクスを超えます。(写真3)
写真4. |
現代人にとっては灯火部が箱に乗って全面光っていても暗く感じますが、電灯照明の明るさを知らない江戸人にとって1ルクス前後でも明るく感じていたに違いなく、就寝時は月明かりのような暗がりで寝ていたのでしょう。
写真5. |
なお、写真6はイサムノグチのスタンドを調光器で最も暗くした状態と行灯の灯りの比較です。
写真6. |
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