インテリアとしての古灯火具


写真1.
一ヶ月ほど前のことです。とある骨董市で有明行灯を発見しました。自宅のインテリアとして畳コーナーに置いたら面白いかなという、気持ちで購入しました。(写真1)

この行灯、誰がどこで使用していたのか想像するのも楽しいですが、とりあえずいつ頃のものかを尋ねたら、昭和初期のものだろう、とのことでした。昭和初期と言えば谷崎潤一郎が「陰影礼賛」を執筆した頃です。彼は電灯照明より油やろうそくによる日本の伝統的な灯りの採り方を絶賛していた人です。この頃の日本はすでに都市部だけではなく地方の片隅でも電灯照明が普及していたようで、火の光で生活しているところを探すのが大変な頃だったと思います。


写真2.
ところで行灯とはどんな灯りのことでしょうか。それは油を受ける灯明皿を和紙で貼った円筒もしくは立方型の枠の中に入れ、隙間風などで火が消えない構造を持った灯火具です。江戸時代にいろいろなデザインが生まれ、普及しました。行灯の多くは座敷や店先に置くもので、初期のものは持ち運びができるよう灯具の上部に取っ手が付いていました。私が購入したものも取っ手が付いています。(写真2)

行灯は置き型の他に壁にかける掛行灯や天井から吊るす釣行灯もあります。有明行灯は置き行灯に分類され、座敷に置かれる座敷行灯の一種です。

次の頁では、火の光なのに調光できる行灯の秘密をご紹介します。