白熱電球に対して電気代が約1/7
2011年の原発事故の影響で電力の供給不足が心配されています。特に電力需要の多い夏季には住宅でも相応の節電を考えねばなりません。写真1. 左から白熱電球・電球型蛍光ランプ・LED電球の主な形状
そこで一般照明用の白熱電球(以下、普通電球)や電球型蛍光ランプ(以下、電球型蛍光灯)に代替可能なLED電球(電球型LEDランプともいう)の商品開発が進んでいます。(写真1)
政府は2030年までにLED照明を主体にした半導体照明の100%普及を目標にしています。なかでもLED電球の住宅での普及は都市部を中心に勢いを増しています。
いまLED電球が普及している大きな理由は性能が高いレベルで安定してきたことと、価格が下がっていることです。
例えばメーカーにもよりますが、普通電球60W(54Wで810lm)相当の明るさがおよそ8Wの消費電力で得られ、単価は1,000~1,500円前後で購入することができます。そして演色性も住宅照明におけるJISの照明基準総則をクリアしています。(2017年現在)
単純に普通電球60W形(実際は54Wで810lm)を1日8時間点灯して、1Kwhを25円で計算すると、1年(不在日除く300日にして計算)の電気代は約3,250円になります。しかも普通電球はランプ寿命が1000時間なので1年間に3回取り換える計算になり、1個100円として電気代の3,250円に300円が加わります。
一方、7,8WのLED電球は光量が810lmで、54Wの普通電球と同じです。電気代は54W電球の約1/7なので、年間500円ほどで済み、1年間で約3,000円(10年で3万円以上)の差額が生じます。8WのLED電球が1,500円とすれば、ほぼ半年で元が取れる計算になるのです。
電球型蛍光灯とLED電球ではどちらが得?
しかし、以上の計算は普通電球との比較で、白熱電球よりランプ効率の高い電球型蛍光灯との比較ではありません。そこで電球型蛍光灯でも比較検討する必要があります。電球型蛍光灯も種類が多いので一概に言えませんが、最も普通電球に近い形状と光を放つタイプで、白熱電球60W形(54W)に相当する消費電力10Wの電球型蛍光灯を対象に上記と同じ条件で計算してみます。
表1のデータだけで評価すると、電球型蛍光灯の実売価格を800円として、10年間の使用で計算しました。するとほとんど大差は生じませんでしたが、ややLED電球が有利になりました。
いづれにしても、LED電球に代替可能な従来光源はLED照明の普及率100%を目指す過程で生産中止や販売自粛になりつつあります。
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