困難な立ち退き問題をどうクリアした?
建て替えを決断されたら、次に問題となるのは、入居者の立ち退き問題です。入居者とこじれると、高額な立退料を請求されたり、退去を拒まれたりと、難航する事が多く、建て替えがスムーズに進まない事も知人から聞かされていました。そこで、Kさんは建て替えるアパートの建設を請け負ってくれる業者から、「半年の退去期間を設け、退去に掛かる費用をKさんが負担する」という提案を受けてそのようにしてみる事にしたそうです。
立ち退きのスタンスは、出て行ってもらうのではなく、住居の移転に協力していただく気持ちがポイントであると教わりました。
幸いにも交渉後の半年間に高額な立退料を請求されるなどトラブルが発生する事も無く、全入居者の退去は完了したそうです。(※交渉の心得参照)
3月から立ち退き交渉が始まり、9月には全退去が完了。そこから解体して建て替えを開始しましたが、依頼した建設会社はハウスメーカーで工期も短く、3月には引き渡しを受け、入居シーズンにも間に合い、満室で新スタートを切ることが出来たそうです。
資産を守る土地活用とは?
土地などの資産は先代、先々代から引き継ぐ場合が多く、その大切に継承して来た資産を、次世代へ円満に継いで行きたいというのが多くの資産家の心情です。その資産が入居者トラブルや老朽問題などを抱える不良資産であれば、将来それを引き継いだ子供たちが苦労する事になります。今回ご紹介した老朽化アパートの事例も、Kさんの代では何とか無事過ごせても、次世代になってから、管理や修繕のクレーム、不良入居者、地震等での被害など、諸々の問題が発生しかねない状況でした。
Kさんは、「建て替えすることで、子孫にとって負の遺産ともなりかねない火種を残さずに、将来起こりうるリスクを回避できたと思います。本当に安心できた」と語ります。
無策のまま老朽化が進めば、家賃下落・空室の拡大・修繕費用の増加など、収益状況はどんどん悪化していきます。放置したことにより、入居者は安いままの家賃に甘えて、次の転居先が見つからないということで、立ち退きがよりいっそう困難となるケースも見受けられます。
建て替え時期のタイミングを判断できたKさんは、「気苦労が無くなったのが一番うれしい。楽になった分、今まで苦労かけた家内と夫婦で旅行にでも出かけたりしたいです」と笑顔で語ってくれました。
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