今回の新潟、福井方面の豪雨では、多くの方が被災されました。心よりお見舞い申し上げます。
突然の災害で、財産を失い家が泥に埋まり、本当に絶望的な気持ちがテレビから伝わってきて、こちらまでぼう然としてしまいます。
倒壊した家や、泥だらけになった部屋のなか、流されていく冷蔵庫などの家具。ショッキングな映像を見て、痛ましく思うとともに、「家を失う」ということがいかに重大なことなのかを考えさせられました。
水につかった家の価値は?
水につかってしまった我が家の損害を補償する方法はあります! |
事故の後数年経っても、水のシミ跡や造作材の多少のソリやネジレは残るかもしれません。しかし、基本的な木材の性能としては、数日間水につかったくらいで耐久性が損なわれることはありません。大事な対応は、水が流れた後の基礎回りの地盤の補強と水がひいた後の通風による乾燥の促進だと思います。
ただし、こうした事故にあったという事実は、物件状況報告書の中に明記しなければなりません。
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水につかったことで致命的な打撃を受けるわけではありません。良い事後対応をすることで、家としての価値と耐久性を回復することは、十分にできます。しかし、価格という意味では、買主がその家の履歴をどう判断するかにかかっています。
水害に対応している保険は?
1998年の水害で水につかった町(高知県警察本部航空隊撮影) |
家を買うときには火災保険には必ずはいっていると思います。火災保険は水害とは関係ないような印象を持たれますが、火災保険でも水害に対する補償が受けられる保険があります。それは、「住宅総合保険」です。
一般的に、住居系の火災保険としては、住宅火災保険と住宅総合保険があります。前者の住宅火災保険の対象事故は、「火災」、「落雷」、「破裂・爆発」、「風災・ひょう災・雪災」という4つの事故に限られています。ですから、住宅火災保険では水害の補償はでません。一方の住宅総合保険にはそれに加えて、「水害」を含めた6つの保険事故がカバーされます。
住宅総合保険でカバーされる6つの事故とは、
●水災
●建物外部からの物体の落下・飛来・衝突など
●給排水設備や他の戸室で生じた事故による水漏れ
●騒じょう
●盗難
●持ち出し家財の損害
したがい、「住宅総合保険」でなければ、「水害」は補償されません。
「住宅総合保険」の目的は建物と家財があります。建物だけでなくて、家財にも保険をかけておくことをおすすめします。
今のお住まいの火災保険を、ぜひご確認ください。必要な保険だけに賢く入りましょう。特に住宅総合保険には必ず入ってください。
住宅総合保険に入っていれば十分なの?
しかし、この「住宅総合保険」では、床上浸水が条件となっています。「床下浸水」には保険は補償してくれないのです。しかも、水害の補償は契約金額の70%までしか補償されません。つまり、「住宅総合保険」にはいっていたとしても、建替えや買い換えができるほどには保険金は出ないのです。
佐賀県では竜巻による家の被害がでています。天災やアクシデントで家を失うことを考えると、保険商品と自己資金でリスクに備えることが基本です。
まずは、正しい保険に十分な金額だけ入っておくこと。
そして同時に、万が一に備えるためのある程度の「緊急資金」を確保しておくこと。
家を買うとき、買い換えるときには、ふだん考えることのないこんなことにも気が付く機会です。この際、家に対する補償だけでなく家族のケガや医療に対するリスクマネージメントを一度見直してみてはいかがでしょうか?