ここでは、主なキッチン機器の種類や特徴、知っておきたい基礎知識や選び方のポイントをまとめました。
加熱機器(コンロ・IH) 使い勝手が高まりデザイン性もアップ
最大4口で加熱や保温ができるワイドなIH。大鍋やオーバル鍋も使うことが可能。 [Lクラスキッチン マルチワイドIH]※6月1日受注開始予定 パナソニック エコソリューションズ
■ガスコンロ
システムキッチンに多く取り入れられる、ビルトインタイプのガスコンロは、カロリー数の異なるバーナーを組み合わせた3つ口のタイプが一般的。大きな鍋を並べることもできる広いタイプ、メーカーによっては横に並んだタイプもみられます。
温度調節や自動炊飯などの調理機能、過熱防止など安全機能も高まっており、お手入れしやすいゴトク、汚れ落ちのよい天板(トップ)の素材などの工夫もみられます。最近では、グリルの機能が充実していることも特徴です。搭載されている機能によって価格も変化するので、必要な機能は何か、調理内容などを考えながら選ぶようにしましょう。
■IHクッキングヒーター
熱源が電気の場合に、一般的に取り入れられるのがIH(Induction Heating)クッキングヒーター。磁力線の働きによって鍋そのものを発熱させるしくみの加熱機器です。ガスと同様に、3つ口のタイプが一般的ですが、メーカーによっては横に並んだタイプもみられます。
通電するとすぐに鍋を発熱させるため、熱効率が高いのが特徴。直火がなく、部屋の空気が汚れないというメリットも。凸凹がないトッププレート(結晶化ガラス)は、お手入れも簡単ですし、油煙もほとんどあがらないため、換気扇の掃除も楽に行えるのも魅力でしょう。使用できる調理器具に制限がありますが、金属鍋すべて使用できるオールメタルタイプも。調理方法には、慣れが必要なケースもあるので、ショールームなどで使い勝手を確認することも大切です。
換気扇 インテリアに馴染むデザイン、お手入れも簡単に
スタイリッシュな薄型のデザインの換気扇。フードとオイルパネルの継目や段差、ねじを無くた、拭きやすい形状。 [リシェルPLAT マントルフードFEDタイプ] LIXIL
換気扇の主な方式には、プロペラファンタイプ(直接排気式)とシロッコファンタイプ(ダクト排気式)などがあります。プロペラファンタイプは、屋外へ直接排気できる場合に設けられるもの。取り付けも簡単で換気量も多いのがメリット。シロッコファンタイプは、天井裏や壁などに施工されたダクトを介して、煙や湯気を排気口まで誘導する方法。4方向に自由に排気することが可能なので、アイランドキッチンや対面式キッチンをはじめ、マンションや一戸建てでも多く用いられています。
フードには、ブーツ型やスリム型、浅型などの形があり、プロペラファンにかぶせるだけのものと、シロッコファンなどと一体になっているタイプがあります。また、国産だけでなく海外の製品など個性的なデザインのフードを持つ商品も。ダイニングやリビングと一体化したキッチン空間が増えてきてこともあり、アクセントになるような個性的なデザインや印象的な色づかいのタイプもみられるようになりました。
換気扇の最近の特徴は、掃除のしやすい商品が多くみられること。ファンやフード本体、フィルターなどの形や加工に工夫を施したものが増えています。シロッコファンの油汚れがつきにくいもの、長期間掃除が必要ないタイプや特殊加工したタイプなど。また、フードであれば、シンプルな形状で溝や凹凸などを少なくし、汚れが溜まりにくいもの、フッ素や親水コーティングなどによって、お手入れを楽にしたものなどもあります。掃除のしやすさは、各メーカーごとに異なるので、ショールームでは、実際に取り外すなどして、その特徴を確認するようにしましょう。
水栓金具 作業がしやすく、デザインや省エネにも配慮
吐水口の下に洗い物を指しいれるとセンサーが感知して自動吐水。遠ざけると自動止水。[リシェルPLAT ハンズフリー水栓] LIXIL
対面キッチンやアイランドキッチンなどが増えてきていることから、デザイン性を高めたタイプも注目されています。グース型・グースネックと呼ばれるような形の水栓もみられます。その他、浄水用の水栓を設置するケースも。シンクの下などにカートリッジを設置するアンダーシンクタイプ、水栓金具の本体にカートリッジを内蔵したタイプ、通常の水栓金具に浄水機能を組み込んだ一体型のタイプもあります。
最近のショールームでは、実際に水を出すことができる展示も増えているので、実際に動かし、その操作性や水流などを確認することがポイントです。
食器洗浄乾燥機 すっきりとキャビネットに溶け込むデザインも
操作面が見えないように工夫し。キッチンと美しく一体化する食器洗浄乾燥機。[Lクラスキッチン フル扉材食器洗い乾燥機] パナソニック エコソリューションズ
システムキッチンの場合には、フロアキャビネット部分にビルトインされるのが一般的。引き出しタイプ、前開きタイプなどがありますが、腰をかがめずに使用できる、引き出し式のタイプが設定されているケースが多いようです。サイズは、4人家族向けの幅45センチ程度で、浅型と深型タイプがあります。除菌機能など洗浄方法に工夫を持たせたもの、節水性能を高めたものなども。最近では、フロアキャビネットに馴染むようなデザインが多く、スイッチなどの操作部分をすっきりと目立たないように配慮されたタイプもみられます。選ぶ際には、食器の設置のしやすさやカゴの形状など、家族の人数や食事スタイルを考慮するようにしましょう。
カウンター 耐久性や防汚性、インテリアにも馴染むカラー
一般的なシステムキッチンに設定されているカウンタートップは、ステンレスと人工大理石。メーカーによっては、より性能を高めた新しい素材も提案されています。いずれも、耐久性はもとより、汚れにくく掃除のしやすい工夫が施されています。最近では、インテリアに馴染む、色や素材感を持つタイプも増えてきました。ステンレスは、耐水性や耐久性、耐熱性や耐汚性に優れ、メンテナンスが楽なのが特徴。表面は、光沢のあるもの、エンボス(凹凸模様)やヘアライン(髪のような細いライン)仕上げ、メーカー独自の表面仕上げなども。人工大理石は、温かみがあり、色柄などのバリエーションも豊富。アクリル系とポリエステル系があり、メーカーによっては、エポキシ樹脂を用いたものも。一般的に、アクリル系やエポキシ樹脂は透明感があり、ポリエステル系に比べ耐熱性などに優れます。ポリエステル系はアクリル系より比較的安価なものが多くみられます。それぞれの素材感は異なりますので、実際にショールームで確認を。汚れやお手入れの性能実験などの展示も確認しておくことが大切です。
シンク 汚れにくい形状、お手入れしやすい排水口
最近のシンクは、素材そのもの工夫や形状、表面加工などによって、汚れにくく、掃除のしやすいタイプが多くみられます。一般的なシステムキッチンで多く設定されている素材は、カウンターと同様に、ステンレスや人工大理石。カウンターとシンクが一体になった継ぎ目のないタイプもみられます。その他、ガラス質の釉薬を金属の表面に焼き付けた、ほうろう(鋼板・鋳物)も。独特の滑らかな肌ざわりや色合いで、輸入品などにみられるものです。掃除のしやすさを高める工夫として多くみられるのが、排水口の形状や設置位置。ぬめりを防ぐために形状や水流を工夫したもの、溝がなく掃除がしやすいように排水口とシンクを一体構造としたものなど。また、シンク底の角度や形状に工夫を施して、排水口に効果的に水が流れ、ゴミがスムーズに カゴにまとまる商品などもみられます。
このように多くの機器やアイテムが必要になるキッチン。いずれも、ショールームで実物を確認し、操作してみることが大切です。ショールームで行われる料理セミナーなどには、積極的に参加を。新しい機器や機能などを体感できるいい機会となるでしょう。
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