キッチンプランの基本は空間全体から考えること
新築やリフォームの際に取り入れるキッチン設備は、数多くのメーカーから、さまざまな商品やアイテムが豊富に提案されています。いずれも性能や機能、デザイン性などが高まっていますが、わが家にぴったりのキッチンを選び、プランニングするのは難しいものです。人気の対面キッチンスタイル。ダイニング側から乱雑になりがちな手元が見えないように設けた立ち上がりもデザインのアクセントに。 [ザ・クラッソ] TOTO
また、収納を充実させるためにパントリー(食品庫)を設けるのであれば、フロアキャビネットや周辺ユニットなどに求める収納機能も変わってくるかもしれません。空間と設置する機器の両面から考えていくことが大切です。
空間プランが固まったら具体的な商品の検討を
壁面に設置したI型のキッチン。空間のイメージに馴染む、すっきりとしたデザインが印象的。[アレスタ オープンキッチン 壁付I型] LIXIL
システムキッチンの場合は、基本プランから選択して
多くの方が取り入れるシステムキッチンの場合であれば、間口サイズなどから基本(標準)プランを選び、扉材やカウンター、シンクや水栓金具など、ひとつひとつ選択していくことに。ショールームなどでは、プランニングしやすいシミュレーションなども用意されているので、設計担当者やアドバイザーなどと相談しながら、選んでいくようにしましょう。人気のレイアウトスタイルは開放的な対面キッチン
ダイニングとのコミュニケーションもとりやすい対面式。背面のユニットを設けることで収納も充実。 [リフォムズ ローステップ対面プラン] パナソニック エコソリューションズ
最近、多くみられるキッチンプランは、リビングダイニングとひとつの空間に配されているもの。オープンなつくりで、キッチンが住まいの中心となるようなプランも増えてきています。開放的な対面キッチンやアイランド型などが人気で、メーカーからの提案プランにもこのタイプが多くみられます。
キャビネット選びは収納物のリストアップから
開放的なアイランドキッチンも人気のスタイル。空間にゆとりを持たせてプランニングしたい。[リシェルSI オープン対面キッチン センターキッチン アイランド型] LIXIL
フロアキャビネットは、引き出し式の収納が主流。空間をより有効利用し、出し入れのしやすい工夫が多くみられ、細かなキッチンツールやカトラリー、鍋やフライパンなどが出し入れしやすいパーツなども充実しています。周辺ユニットは、家電商品や食器、保存食などの収納、ゴミ箱スペースなど、さまざまなタイプが揃っています。
プランニングの際は、具体的に収納するモノやサイズをリストアップして検討すること。基本は、よく使うモノは手が届きやすい目の高さ(アイレベル)、重いモノは下段、軽いモノは上段に、ですが、わが家の場合の使い方をイメージしながらプランニングするようにしましょう。
ダイニングやリビングとのコーディネートも重要に
LDと一体化するようなキッチンプラン。壁面の収納もトータルコーディネートしてすっきりと。 [Lクラスキッチン フロートアイランドプラン] パナソニック エコソリューションズ
木目タイプのナチュラルな雰囲気のもの、個性的な色や柄の扉材、また、デザイン性の高い換気扇や水栓金具などのラインアップを揃えた商品も多くみられますし、ダイニングやリビングの収納や室内建具、床材などとコーディネートしやすい商品も提案されているのも特徴でしょう。キッチン空間だけでなく、LDK全体、住まい全体のイメージの統一を図ることも大切です。
美しさを保つことができるアイテムを選びたい
くつろぎの場から見えるようなキッチンプランの場合、美しさを保ちやすいように、汚れにくくお手入れのしやすことにも配慮したいもの。最近のシステムキッチンは、機能や形状、表面加工の工夫などでお手入れが楽な換気扇、形状を工夫したり隙間を無くすことで汚れが溜まりにくく掃除がしやすいシンク、汚れがついても落としやすい壁材などは標準的になってきています。また、作業性やデザイン性が高く、お手入れが楽な加熱調理機器、カウンター素材なども多くみられるようになりました。和の雰囲気を感じる落ち着いたキッチン。ダイニングやリビング、畳スペースとの動線も動きやすい。[ザ・クラッソ] TOTO
オープンなキッチンプランは、空気や音などにも注意を
オープンなプランでは、空気の汚れや臭い、水流音などへの配慮をすることも大切なポイントです。換気扇の機能性は高まってきていますが、リビング・ダイニングも含めて、適切な換気扇や窓などを設置すること。換気計画は、専門的な部分となるので、設計担当者にしっかりと確認するようにしましょう。また、シンクへの水はね音や機器の運転音なども注意を。コミュニケーションを図るためにオープンなプランとしても、会話がしづらかったり、テレビの音が聞こえなかったりするケースもみられます。水流がシンクに落ちる音や流れる音に配慮した静音設計のシンクも一般的になってきましたし、換気扇や食器洗浄乾燥機などの音も抑えられてきていますが、プランニングによっては気になる場合もあるかもしれません。事前にショールームなどで確認することも大切です。
ショールームは複数ヵ所、複数回利用しても
キッチンを選ぶ際には、必ずショールームを利用し、実物を確認すること。1度ではなく、何度も、何か所にも足を運び、検討する方も多くみられます。各メーカーの商品特徴を理解した上で、比較検討することも大切なポイントです。取り入れるキッチン商品が決定したら、細かな性能や機能、操作性、素材感や色味などの確認を。お手入れ方法なども事前にチェックしておくことも重要でしょう。
【関連記事】
- システムキッチン商品の種類と特徴&最新トレンド
- キッチンのフロアキャビネット収納の特徴と選び方
- ウォールキャビネット収納の種類と特徴&選び方のポイント
- ビルトインガスコンロの特徴と傾向&選び方
- キッチン換気扇(レンジフード)の種類と特徴&選び方
- IHクッキングヒーターの種類と特徴&選び方のコツ
- キッチンシンクの種類と特徴&選び方のポイント
- キッチンの水栓金具の種類と特徴&選び方のポイント
- キッチンカウンターの種類と特徴&選び方のポイント
- システムキッチンの取っ手と扉材の種類&特徴
- キッチン壁材の種類と特徴/キッチンパネル、タイル
- タイル、フローリングetc.キッチンの床材の種類と特徴
- パントリー(食品庫)のプランニングの考え方と注意点
- キッチンのゴミ箱 上手な収納場所の考え方
- 家庭用生ゴミ処理機の基礎知識
- 対面キッチンのメリットデメリット&あると便利な設備
- キッチンショールームを有効活用する7つのポイント
- 小さな家での暮らしのエッセイ ~対面キッチン わが家の場合~