キッチン/キッチン選びの基礎知識

レイアウトや収納は?キッチンを選ぶ際の考え方・注意点

キッチンは、数多くのメーカーから豊富な商品が提案されていますが、その中から、わが家にぴったりのキッチンを選び、プランニングするのは難しいもの。ここでは、満足いくキッチンを実現するための基礎知識と注意点をまとめました。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

キッチンプランの基本は空間全体から考えること

新築やリフォームの際に取り入れるキッチン設備は、数多くのメーカーから、さまざまな商品やアイテムが豊富に提案されています。いずれも性能や機能、デザイン性などが高まっていますが、わが家にぴったりのキッチンを選び、プランニングするのは難しいものです。
人気の対面キッチンスタイル。ダイニング側から乱雑になりがちな手元が見えないように設けた立ち上がりもデザインのアクセントに。 [ザ・クラッソ]  TOTO  https://jp.toto.com/

人気の対面キッチンスタイル。ダイニング側から乱雑になりがちな手元が見えないように設けた立ち上がりもデザインのアクセントに。 [ザ・クラッソ]  TOTO  

キッチンを検討する際には、まず、空間全体から考えていくことが基本。住まい全体の間取りを考慮し、希望するキッチンのレイアウトをイメージしながら、キッチン空間の広さは適しているか、ダイニングやリビングと行き来はしやすいかなどを考えていくことがポイントです。

また、収納を充実させるためにパントリー(食品庫)を設けるのであれば、フロアキャビネットや周辺ユニットなどに求める収納機能も変わってくるかもしれません。空間と設置する機器の両面から考えていくことが大切です。
 

空間プランが固まったら具体的な商品の検討を

壁面にすっきりと設置したI型のキッチン。空間のイメージに合わせた、デザイン性の高い家具のような雰囲気も。[アレスタ  オープンキッチン 壁付I型]  LIXIL  http://www.lixil.co.jp/

壁面に設置したI型のキッチン。空間のイメージに馴染む、すっきりとしたデザインが印象的。[アレスタ  オープンキッチン 壁付I型]  LIXIL 

空間のプランが決まってくると、おのずとキッチンのレイアウト、キャビネットの間口サイズ、冷蔵庫やコンロ、シンクなどの設置位置などが明確になってくるはず。予算や使い勝手なども含め、取り入れたいメーカーや商品を絞り込んでいきましょう。いくつかの候補が挙がったら、見積もりを取り比較検討することなります。
 

システムキッチンの場合は、基本プランから選択して

多くの方が取り入れるシステムキッチンの場合であれば、間口サイズなどから基本(標準)プランを選び、扉材やカウンター、シンクや水栓金具など、ひとつひとつ選択していくことに。ショールームなどでは、プランニングしやすいシミュレーションなども用意されているので、設計担当者やアドバイザーなどと相談しながら、選んでいくようにしましょう。
 

人気のレイアウトスタイルは開放的な対面キッチン

ダイニングとのコミュニケーションもとりやすい対面式。背面のユニットを設けることで収納も充実。 [リフォムズ ローステップ対面プラン]  パナソニック エコソリューションズ http://sumai.panasonic.jp/

ダイニングとのコミュニケーションもとりやすい対面式。背面のユニットを設けることで収納も充実。 [リフォムズ ローステップ対面プラン]  パナソニック エコソリューションズ

キッチンそのもののプランは、I型、II型、L型、アイランド型などに分けることができます。また、ダイニングなどとのつながり方で、オープンキッチン、セミオープンキッチン、クローズドキッチンと分類することも。オープンキッチンやセミオープンキッチンは、作業しながら家族とコミュニケーションが図れるのがメリット。クローズドタイプは、調理に集中できることなどが長所として挙げられます。

最近、多くみられるキッチンプランは、リビングダイニングとひとつの空間に配されているもの。オープンなつくりで、キッチンが住まいの中心となるようなプランも増えてきています。開放的な対面キッチンやアイランド型などが人気で、メーカーからの提案プランにもこのタイプが多くみられます。
 

キャビネット選びは収納物のリストアップから

 開放的なアイランドキッチンも人気のスタイル。空間にゆとりを持たせてプランニングしたい。[リシェルSI  オープン対面キッチン センターキッチン アイランド型]  LIXIL  http://www.lixil.co.jp/

 開放的なアイランドキッチンも人気のスタイル。空間にゆとりを持たせてプランニングしたい。[リシェルSI  オープン対面キッチン センターキッチン アイランド型]  LIXIL

多くのシステムキッチンは、主な機能を組み込むフロアキャビネットと、食器棚や食品庫、家電スペースなどの収納する周辺ユニット(カップボード部)で構成されています。空間プランや収納スタイルに合わせて組み合わせることが一般的でしょう。

フロアキャビネットは、引き出し式の収納が主流。空間をより有効利用し、出し入れのしやすい工夫が多くみられ、細かなキッチンツールやカトラリー、鍋やフライパンなどが出し入れしやすいパーツなども充実しています。周辺ユニットは、家電商品や食器、保存食などの収納、ゴミ箱スペースなど、さまざまなタイプが揃っています。

プランニングの際は、具体的に収納するモノやサイズをリストアップして検討すること。基本は、よく使うモノは手が届きやすい目の高さ(アイレベル)、重いモノは下段、軽いモノは上段に、ですが、わが家の場合の使い方をイメージしながらプランニングするようにしましょう。
 

ダイニングやリビングとのコーディネートも重要に

LDと一体化するようなキッチンプラン。壁面の収納もトータルコーディネートしてすっきりと。 [Lクラスキッチン フロートアイランドプラン]  パナソニック エコソリューションズ http://sumai.panasonic.jp/

LDと一体化するようなキッチンプラン。壁面の収納もトータルコーディネートしてすっきりと。 [Lクラスキッチン フロートアイランドプラン]  パナソニック エコソリューションズ 

ダイニングやリビングとのインテリアコーディネートもプランニングの重要なポイント。システムキッチンの最近の傾向は、シンプルですっきりとしたタイプですが、住まいの中心的な役割を持つようになってきていることなどから、家具のような雰囲気を持つタイプ、インテリア空間に馴染むようなデザインも増えてきています。

木目タイプのナチュラルな雰囲気のもの、個性的な色や柄の扉材、また、デザイン性の高い換気扇や水栓金具などのラインアップを揃えた商品も多くみられますし、ダイニングやリビングの収納や室内建具、床材などとコーディネートしやすい商品も提案されているのも特徴でしょう。キッチン空間だけでなく、LDK全体、住まい全体のイメージの統一を図ることも大切です。
 

美しさを保つことができるアイテムを選びたい

くつろぎの場から見えるようなキッチンプランの場合、美しさを保ちやすいように、汚れにくくお手入れのしやすことにも配慮したいもの。最近のシステムキッチンは、機能や形状、表面加工の工夫などでお手入れが楽な換気扇、形状を工夫したり隙間を無くすことで汚れが溜まりにくく掃除がしやすいシンク、汚れがついても落としやすい壁材などは標準的になってきています。また、作業性やデザイン性が高く、お手入れが楽な加熱調理機器、カウンター素材なども多くみられるようになりました。
和の雰囲気も感じる落ち着いたキッチン。ダイニングやリビング、畳スペースとの動線も動きやすい。[ザ・クラッソ]  TOTO  https://jp.toto.com/

和の雰囲気を感じる落ち着いたキッチン。ダイニングやリビング、畳スペースとの動線も動きやすい。[ザ・クラッソ]  TOTO  

オープンなキッチンプランは、空気や音などにも注意を

オープンなプランでは、空気の汚れや臭い、水流音などへの配慮をすることも大切なポイントです。換気扇の機能性は高まってきていますが、リビング・ダイニングも含めて、適切な換気扇や窓などを設置すること。換気計画は、専門的な部分となるので、設計担当者にしっかりと確認するようにしましょう。

また、シンクへの水はね音や機器の運転音なども注意を。コミュニケーションを図るためにオープンなプランとしても、会話がしづらかったり、テレビの音が聞こえなかったりするケースもみられます。水流がシンクに落ちる音や流れる音に配慮した静音設計のシンクも一般的になってきましたし、換気扇や食器洗浄乾燥機などの音も抑えられてきていますが、プランニングによっては気になる場合もあるかもしれません。事前にショールームなどで確認することも大切です。
 

ショールームは複数ヵ所、複数回利用しても

キッチンを選ぶ際には、必ずショールームを利用し、実物を確認すること。1度ではなく、何度も、何か所にも足を運び、検討する方も多くみられます。各メーカーの商品特徴を理解した上で、比較検討することも大切なポイントです。
 
取り入れるキッチン商品が決定したら、細かな性能や機能、操作性、素材感や色味などの確認を。お手入れ方法なども事前にチェックしておくことも重要でしょう。
 

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