カーテンレールは、機能性やデザイン性もアップ
天井からカーテンを設置することで、すっきりとしたインテリアになるとともに、たっぷりとした布地の風合いも楽しめる。 [BrancherII LXL224] LIXIL
そのカーテンを設置するために必要になるのがカーテンレール。メーカーからは、機能性やデザイン性を高めた商品が揃い、設置スペースや使い勝手、カーテンのスタイルに合わせて選ぶことが可能です。
カーテンメーカーなどのショールームやカーテン専門店はもちろん、数は限られますがホームセンターなどでも扱っているので、カーテン選びの前に、どのようなレールがあるのか、特徴などの確認を。デザインや価格だけでなく、操作性などをチェックすることも大切です。最近では、ネットショップも充実しているので、利用してもいいでしょう。
カーテンレールは「機能レール」と「装飾レール」に分けることができる
壁と馴染むようなカーテンボックスを設けたスタイル。ダブルタイプのレールを設置。[Brancher II LXL288・289] LIXIL
機能レールは、一般的に多く用いられているアルミや樹脂製のもの。分譲住宅や賃貸住宅などに、最初から設置されている場合などは、多くがこのタイプでしょう。カーテ ンの開閉がスムーズに行えるように、機能性や操作性を重視しているもので、通常、あまり目立たないように設置します。
一方、装飾レールは、デザイン性や素材などを重視した、インテリアの一部となるようなレールのこと。機能レールはカーテンを設置した際に隠れてしまうのに対し、装飾レールはレール本体が見えるように設置するものです。
機能レールの種類と特徴
[機能レール] LIXIL
■シングルタイプとダブルタイプ
一般的な機能レールには、シングルタイプとダブルタイプがあり、ドレープとレースなどを設置するのであれば、ダブルタイプが必要になります。
■天井直付と壁付タイプ
設置方法によっては、天井直付けタイプや壁付け(横付け)タイプ、両方に対応できるものなどもみられます。
■伸縮タイプ
スペースに合わせて長さを調整することができるタイプのこと。
■曲げることのできるタイプ
曲線部分のある出窓や変形の窓などに合わせ、曲げることができるタイプ。
■突っ張りタイプ
賃貸住宅などで、取り付けビスが使えない場所に適するテンションタイプ。カフェカーテンなどに適しています。
電動タイプやカーテンレール付の窓枠も
最近では、カーテンの開閉時の音が静かなタイプやリモコンで操作できる電動タイプ、遮光性を高めるために隙間ができにくいランナーを取り入れたもの、サイドからの光漏れを防ぐための差し込み口やクリップが付いているものもなども揃っています。また、省エネルギ―(節電)効果を高めるため、レール上部にカバーを取り付けたり、サイドまで覆うことができるタイプなどもみられます。そのほか、カーテンレールの工事を不要にし、取付けの手間を削減する、カーテンレール付の窓枠も。レール上部からの熱の流出入を遮断するなど、省エネルギ―性能が期待できるものです。
装飾レールの種類と特徴
[装飾レール] LIXIL
デザイン性を重視する装飾レールの主な素材は、木やアルミ、ステンレス、鉄・真鍮、樹脂・塩ビなど。また、異素材の組み合わせ(木+ガラス、木+真鍮)などの個性的なデザインもみられます。モダンでシャープなデザインやエレガントなデザイン、アンティーク調など、さまざまなタイプが揃っており、国産だけでなく、海外の商品も多くみられます。
比較的取り入れやすく、馴染みのあるのがナチュラルな木製のタイプ。天然木のものだけでなく、表面が樹脂製のものなどもありますが、窓枠や床、ドアなど、室内の木質建材の色と揃えるとインテリアとしてまとまるでしょう。
装飾性の高い真鍮や鉄など、個性的なレールも多くみられ、デザインによってはかなりインパクトがあるので、カーテンの素材やデザイン、部屋全体のインテリアをトータルに考えること。レールと揃いのカーテンホルダーなどを合わせてもいいでしょう。
装飾レールも、シングルタイプだけでなく、ドレープとレースの二重掛けに対応できるダブル付け用もあるので、カーテンスタイルに合わせて取り入れることが可能です。
装飾レールを設置する際の注意点
エレガントな雰囲気のカーテンレールを取り入れて、窓辺のポイントにも。[カーテン:SC3250] サンゲツ
素材やスタイルにもよりますが、カーテンは、それなりの重さがあるもの。特に、装飾レールを取り入れる場合、カーテンだけでなくレールの重量にも配慮するようにしましょう。取り付ける際には、設置する壁や天井部分の強度の確認を。下地を補強しなければならないケースもあるので注意が必要です。
■スタイルに合った取り付けスペースを
装飾レールの場合は、取り付けるスペースを確保しておくことも重要なポイント。窓の上部と左右に余裕があるかどうか、また、窓まわりに設置するエアコンや家具、収納扉などとぶつからないように配慮を。デザインにもよりますが、一般的な装飾レールの場合、窓枠外側より左右に10~15センチほど長いほうがバランスがとれるものです。
新築やリフォームの際に装飾レールを設置したい場合は、プランニングの段階から、設計者に希望を伝えておくようにしておくことも大切でしょう。
■ショールームなどで実物のチェックを
装飾レールは、デザインによっては、部屋のイメージを左右する場合もあるので、全体のバランスを考慮してコーディネートすること。可能であれば、カーテン選びの際に、ショールームで実物をチェック、素材感やボリュームを確認するようにしましょう。
カーテンのプランニングは、間取り、窓の位置や形状などにも関わるもの。カーテンのスタイルや用いるレールにこだわりがある場合は、早めに設計担当者に相談をすることも大切です。
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