カタログにはニーズや条件に合わせ、さまざまな種類がある
メーカーのカタログにはさまざまなタイプがある。必要な時に必要な情報を確認できるように用意しておきたい。
多くのメーカーでは、施主向けのカタログと専門家(建築者)向けのカタログを用意しています。通常は施主向けのカタログを手に取ることになるでしょう。基本的には、このカタログで施主として確認しておきたい情報は得ることが可能です。施主向けのカタログやパンフレットには、メーカーごとに異なりますが、大きく分けて下記のようなタイプがあります。
(A)商品ラインナップが掲載されたもの
「キッチン」、「バス・サニタリー」、「玄関ドア」などといった部位別にまとめてあるものと、「○△○シリーズ」や「NEW○△○キッチン」などシリーズ名や商品名ごとに一冊となったものがあります。また、メーカーの総合カタログや新商品だけをまとめたものもあります。
(B)ノウハウやライフスタイルなどに合わせて編集されたもの
「快適な家づくりを実現する○△○アイテム」「リフォーム○△○」などといったノウハウや住まい方、目的などに合わせて設備機器や建材をラインナップしたもの。
(C)機能や性能に特化して紹介したもの
「環境配慮○△○ガイド」「防犯設備○△○プラン」「○△○ユニバーサルデザイン」など、住まいの性能や機能などに関わる設備や建材を紹介したもの。補助金制度などを紹介しているケースもあります。
(D)お手入れやメンテナンスをまとめたもの
設備機器や建材によって、必要なお手入れは異なります。どんなメンテナンスが必要か、お手入れ方法などを説明したカタログもみられます。
(E)施工例やリフォーム例を紹介したもの
実際にそのメーカーの商品を用いた施工例を紹介したもの。
その他、グラビア雑誌のように暮らし方や住まい方の紹介やインテリア、ガーデニングなどの読み物をまとめたものなどもあります。
商品ラインナップのカタログを基本に整理を
集めたカタログは、メーカーごとの手提げ袋に入れたまま、という方も多いかもしれませんが、ルールを決めて分類しておく方が検討しやすいでしょう。たとえば、商品選択に必要な商品カタログと情報・ノウハウなど読み物とに分類。上記の分類で言えば、「(A)商品ラインナップを掲載したカタログ」とその他(B)(C)(D)(E)に分けておきます。次に、「(A)商品ラインナップ」を部位ごとに分類します。「キッチン」「バスルーム」「窓」「床材」などと細かく分けてもいいですし、「水まわり」「内装インテリア」「外装エクステリア」という方法でもいいでしょう。
その他のノウハウや施工例などのカタログ(B)(C)(D)(E)は、それぞれに分類しておくか、わが家にとって優先順位が高い項目などを別にしておいても。たとえば、省エネルギーや環境などに配慮したものを取り入れたいのであれば、それらのカタログはまとめておくと検討しやすいでしょう。
住まいづくりの進行状況に合わせて使い分けたい
自分なりのルールを作って、整理することが大切。
数社の同じようなカタログを見れば、住まいに用いられる設備機器や建材の種類、プランニングとの関連、最近の流行などが、おおよそ理解できると思います。そして、自分は何にこだわりたいのか、キッチンなのか、床材なのか、窓やドアなのか、も明確になってくるでしょう。気にいった空間やデザインがあれば付箋をはっておくか、切り取っておいてもいいでしょう。
プランニング検討時期になったら、アイテムごとに商品ラインナップのカタログ(A)をチェック。最近の傾向やバリエーション、メーカーの商品傾向、価格帯などを理解することができます。気になる商品があったら、付箋をつけておくこと。どこが気に入ったのか、値段なのか、デザインなのか、機能性なのか、簡単にメモをしておくと後で役に立ちます。機能や性能に特化して紹介したカタログ(C)もあわせて目を通しておきましょう。付箋が多く付いたカタログのメーカーのショールームから優先的に出かければ、時間と労力を無駄にせずに済むのではないでしょうか。
また、付箋がひとつも付かないカタログは、まとめておくか廃棄しても。家づくりは数ヶ月かかる長丁場。必要なもの、不必要なものをその都度整理しておかないと、かえって混乱してしまいます。
ファイルやスクラップブックで整理し、打ち合わせで活用
付箋だけでは分かりにくい場合は、切り取ってファイリングやスクラップブックを作ってもいいでしょう。キッチンやバスルーム、リビングなど空間ごとに分類しておけば、自分の好みのイメージが整理できると同時に、設計担当者へも要望も伝わりやすくなるものです。切り取る際には、メーカーや商品名、カタログの名称やページなど、後から分かるようにメモをしておくようにしましょう。ある程度、希望の商品が明確になってきたら、お手入れやメンテナンスをまとめたカタログ(D)も確認し、日々のお手入れがどの程度必要か、イニシャルコストだけでなくランニングコストがどのくらいかかるのか、など、決定する前に確認しておくことも大切です。
カタログには豊富な情報が詰まっていますが、後悔しない設備や建材選びのためには、実物を確認することはとても重要。「カタログを使いこなして、家族で検討し、ショールームで確認」を繰り返すことで、わが家にとってぴったりな商品を選ぶことができるでしょう。
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