マンション火災で危険なのは開口部
外廊下は大切な避難経路。耐火性のあるドアや窓が使用されています
しかし、実際には一部に窓や玄関ドアなどの開口部があり、その部分については下記のような耐火性となっています。
■窓
マンションの避難経路に面する窓には耐火性のある「網入りガラス」が使用されます。火をさえぎる時間は20分相当。
■玄関ドア
マンションの玄関ドアは、一定以上の厚みのある鉄板などで造られた耐火性のあるドアが使用されます。火をさえぎる時間は60分相当。
延焼を防ぐために玄関ドアは開けっ放しにしない
ここで注意したいのは、火災発生時に窓やドアが閉まっていないとその防火性を発揮できないということです。夏場の暑い時期などに、購入してきたストッパーなどを付けてドアを開け放しにしているお宅を見かけますが、本来はそのような使い方はしてはいけないということになっています。火災警報器はついていますか?
天井に火災警報器がついているかチェックして
平成18年6月1日以降に新築される住宅には設置が義務付けられており、それ以前に建てられた住宅に関しては平成23年6月までに設置義務化となっています。
どんな警報器がついているか確認を
マンションに設置してある火災警報器にはいくつかのグレードがあります。一番良いグレードの警報器では、全ての台所、居室及び階段などに感知器が設置され、ある場所で発生した火災を自宅全域に知らせる機能がついています。このタイプの警報機は、例えば台所で火災が発生した時に、寝室でも警報機が鳴って知らせてくれることになります。その次のグレードとしては、全ての台所、居室及び階段などに感知器があり、火災が起きた部屋の警報機がお知らせするタイプがあります。台所で発生した火災は台所の警報機のみが鳴ることになります。
さらにその下のグレードとなると、感知器が台所のほかに1ヵ所程度ついており、火災が発生した部屋の警報機が作動するタイプとなります。感知器は全ての居室についているわけではないので、ついていない部屋で火災が発生した場合には発見が遅れる可能性があります。
皆さんのマンションについている警報機のタイプはどれに該当するか確認してみてください。
マンション火災時の避難方法をシミュレーションしておく
このように、マンションではさまざまな避難対策がとられています。自分の家から出火した場合、隣の住戸から出火した場合など、いろいろな場面をシミュレーションし、万が一のときに冷静に対処できるようにしておきましょう。以上に述べてきたマンションの避難対策は住宅性能表示の中の「火災時の安全」という項目でランク付けが行われています。同じマンションでも住戸の位置によって、火災時の避難のしやすさは異なります。これから購入する予定の方はぜひチェックしてみてください。
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