マンション物件選びのポイント/マンションの構造・耐震性

マンションが火事になったらどうする!?(2ページ目)

もし住んでいるマンションが火事になったらどうする!? 避難しやすい住戸の位置や避難方法を解説します(改訂2017年2月、初出2011年2月)

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

それでは玄関から避難できない場合の次の一手、バルコニーからの避難を見てみましょう。 

逃げられる隣戸バルコニーはある?

バルコニーについている避難ハッチ。フタを開けるとはしごが内蔵されている(画像:ナカ工業

バルコニーについている避難ハッチ。フタを開けるとはしごが内蔵されている(画像:ナカ工業

もし自宅の玄関付近から火災が発生したり、すぐ隣の住戸から火の手があがり「外廊下に出られない時」はどうしたらよいか考えてみましょう。

外廊下側に火の手が回った場合には、バルコニー側からの避難を考えます。マンションのバルコニーには隣戸バルコニーとの境に「隔て板」があります。隔て板は避難時に蹴り壊せるように破壊しやすい材でできています。火災時にはこの間仕切りを破って隣戸バルコニーに避難します。

そこで今一度確認したいのが「バルコニーの隔て板の付近に物を置かない」ということです。たまに物置などを置いて隔壁をふさいでいる住戸を見かけますが、万が一の時の避難に支障をきたし、危険です。外からバルコニーを眺めてみて、何かでふさいでいる人がいたら、すぐに移動してもらいましょう。 

避難ハッチ、避難はしごはどこについているか知っている?

避難ハッチに内蔵されているはしご(画像:ナカ工業)

避難ハッチに内蔵されているはしご(画像:ナカ工業)

その次にバルコニーから地上に避難する方法を考えてみましょう。火災が発生したら、隔て板をけ破って火元から遠い隣戸に避難します。バルコニーを伝って移動していくと、ある住戸のバルコニーの床に「避難ハッチ」がついています。

避難ハッチのフタを開けると中にはしごが収納されており、これを下ろして下階に降りることができます。下階に降りるとすぐそばにさらに下階に降りるための避難ハッチがついているはずですので、順番に一階づつ降りていき、最終的に地上に避難します。

避難ハッチはマンションの全ての住戸のバルコニーについているわけではありません。マンションの規模により、ワンフロアに1ヵ所の場合もあれば数箇所ついている場合もあります。

【図2】バルコニーにつく避難ハッチの例。バルコニーの端に設けられることが多い。

【図2】バルコニーにつく避難ハッチの例。バルコニーの端に設けられることが多い。


ほとんどのマンションでは、そのようにして地上に無事に避難できるような避難計画がとられています。大切なのことは、日ごろから、自分のフロアではどの住戸に避難ハッチがあるか把握しておくことです。

次のページでは、マンション火災で最も危ないところ、自分の家で火災が発生した時に知らせてくれる警報機の種類をみてみましょう。

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