マンション購入術/マンション購入の失敗・トラブル

もし欠陥マンションだったらどうする?(3ページ目)

マンション購入は一生に一度あるかないかの大きな買い物です。それなのに、もし購入したマンションに重大な欠陥が見つかったら? 無償修繕や損害賠償を請求できる法律があることをご存知でしょうか(初出:2008年9月/改定2015年11月)。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

欠陥のないマンションを選ぶコツ

建設住宅性能評価を受けると現場で厳しい検査が数回繰り返されます

建設住宅性能評価を受けると現場で厳しい検査が数回繰り返されます

前ページで述べたように、平成21年10月以降に引き渡される新築住宅に関しては、万が一重大な瑕疵が見つかった時に、保険等の裏付けにより、より確実に建物の補修などをしてもらえることになりました。

しかし、欠陥はないにこしたことがありません。名の通ったデベロッパー、建設会社であれば欠陥はないかというと、そうとは言い切れません。そこでお勧めするのが住宅性能表示制度を利用しているマンションを購入することです。住宅性能表示制度は全国統一の基準で住宅の品質を評価する制度です。この制度には設計図の段階で審査を受ける「設計住宅性能評価」と、実際に設計図通りに建物がつくられているか審査を受ける「建設住宅性能評価」があります。

通常の倍以上の審査を受けて工事ミスを防ぐ

上が設計住宅性能評価、下が建設住宅性能評価のマーク

上が設計住宅性能評価、下が建設住宅性能評価のマーク

この2つの評価を受けているマンションでは、建物の設計段階と現場が始まった建設段階で、第三者の専門家による厳しい審査を受けることになります。

工事現場で受ける審査回数は、建物の階数により異なりますが、建設住宅性能評価を受けているマンションでは階数3以下で4回、それ以上で最低5回と、評価を受けていない建物の倍以上の検査を受けています。

また、審査を行うのは売主や施工会社とは関係のない第三者の専門機関なので、公平性、信頼性があります。以上のことより工事ミスなどを発見しやすく、その分欠陥を防ぐことができると言えます。

この「住宅性能表示制度」ですが、平成12年に施行されてから利用するマンションは増えており、全国で平成26年度に建てられた分譲マンションの約87%が利用しています(※)。

これからは、安心して購入できるマンションの目安としてこの「住宅性能表示制度」を利用していること、その中でも「設計住宅性能評価」と「建設住宅性能評価」の両方とも取得しているマンションがお勧めです。ぜひ広告などで右上に示した「設計性能評価」「建設性能評価」のマークが掲載されているか確認してください。

建築着工統計調査報告 平成26年計(国土交通省)および評価実測システム(一般社団法人住宅性能評価・表示協会)の数値をもとにガイドが計算

【関連記事】
いまさら聞けない「住宅性能表示」ってなに?

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