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マンションエレベーター事故、その後と対策(2ページ目)

今やマンションライフに欠かせず身近な存在の「エレベーター」。そこで怪我をしたり閉じ込められたりする事故が多発しています。2年前の死亡事故以来、エレベーターの安全性は向上したのでしょうか?

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

エレベーターの安全性確保のために

前ページで取り上げたように、近年エレベーターの事故が目立って増えています。これらを受けて、国土交通省ではエレベーターの安全性を確保するために法改正を行うことを決定しました。これらの政令は2009年9月28日に施行され、それ以降に新設されるエレベーターに適用されます。主な内容は以下の通りです。

■地震時のかご内の閉じ込め防止
地震に反応して閉じ込めに。脱出に時間がかかると体力も消耗し、危険。
地震に反応して閉じ込めに。脱出に時間がかかると体力も消耗し危険。

前ページの事例1で閉じ込めのあったエレベーターのほとんどに地震時管制運転装置が装備されていました。この装置が正常に作動した結果、閉じ込めが発生してしまいました。その閉じ込めを極力減らすために、地震を感知した場合、エレベーターを自動的に最寄階などに止め、乗客が自ら扉を開けて脱出できるシステム導入を義務付けます。

これによってエレベーターの安全性が高まり、かご内閉じ込め事故や、余震や火災発生時に避難できないといった二次被害を防止します。

■扉に挟まれる、または落下の防止
男子高校生が挟まれて死亡した事件はエレベーターの制御盤の故障が原因でした。このような事故を防止するために、制御盤等が故障したときには自動的に停止する、かごが停止していないときはその階のエレベーターの扉は開かないように施錠装置を設ける、という内容の安全装置を義務付けます。

これによってエレベーターの安全性が高められ、かご床と昇降路の戸の間の挟まれ事故や、利用者の昇降路内への落下といった重大事故の防止となります。

また、ロープ式のエレベーターの場合「地震時にロープが外れないこと」と明記のみであったものを、具体的な基準を定めることにしました。エレベーターの駆動装置や制御盤などが地震時に転倒しないための設置方法なども具体的に設定されます。

乗る側もマナーを守る

ペットと乗るときはリードを短く持ち、なるべく抱えること。そんな注意を守ることも大切です。
ペットと乗るときはリードを短く持ち、なるべく抱えること。そんな注意を守ることも大切です。
エレベーター事故を防ぐためには、エレベーターに安全装置を設置することや正しい保守点検が行われることが大切ですが、乗り手の方にもルールを守るという大切な役目があります。

前ページに「犬のリードを持っていて指を切断した」事故例もありましたが、社団法人日本エレベーター協会では、それらを含めてエレベーターを利用する際の注意事項をホームページにまとめています。安全にエレベーターを利用するためにぜひ一度ご覧になってください。

【関連リンク】エレベーターご利用の際に(社団法人日本エレベーター協会)

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