マンション物件選びのポイント/マンションの間取り

『アイシテル~海容』から学ぶ危険な間取り(3ページ目)

春ドラ『アイシテル~海容』の視聴率が好調のようです。少年が少年をあやめてしまう衝撃的な内容ですが、原因の一つに家族の在り方、子育て期の住まいの形が大きく関わっています。ガイドが検証します。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

田の字プランでコミュニケーションを取るには

あの事件があってから、加害者少年の一家は引っ越しを余儀なくされます。少年が児童自立支援施設に入っている間でも、両親は子ども部屋を用意して息子が帰ってくるのを待ちます。

引越し先の新しいマンションではリビングに隣り合う和室を子ども部屋にしています。リビングと和室の間の扉は取り払い、リビングから子ども部屋の様子が見渡せます。子どもが自室に行くには一旦はリビングを通らなければなりません。母親が「初めからこうしておけばよかった」と涙ぐむ姿が印象的でした。

マンガから離れ、現実にもマンションではこの田の字プランはとてもポピュラーな間取りです。個々の部屋が独立しがちな田の字プランではありますが、マンガで描かれていたように、子育て期においてはリビングの隣の和室を子ども部屋として使うなど、子どもが孤立化しないくふうがあればより安心なのではないかと思います。

間取りだけではなく、子どもとの関わり合いを大切に

『アイシテル~海容(後編)』事件が起こったその時の全容が解明される。
『アイシテル~海容(後編)』
事件が起こったその時の全容が解明される。
このお話で注意したいのは、子ども部屋が孤立していることだけが事件の原因ではなく、家族間のコミュニケーションと住まいの構造との関係が悪い方向に動いてしまったため、大きなズレが生じた、ということなのです。

話題作『アイシテル~海容』を通して、子ども部屋の在り方だけではなく、子育て期における親と子どもの関わり合い―つながり―の大切さ、家族の意味を学びました。

ただ単に長い間一緒にいればよいわけではないこと、子どもの変化に気がつくためには、帰宅したら一度は顔を見合わせて言葉を交わす、夕食の時に会話をするなど、ちょっとした心がけなどがとても大切なのだと考えさせられました。この原作はたいへん重い内容ではありますが、子育て中のママたちにはぜひ読んでいただきたいお話だと思います。

【関連記事】
マンションで子育てを楽しむ10のメリット
パパママ必見!子育て支援マンション

【関連サイト】
春ドラ概況:時代はシリアス『アイシテル』(All About ドラマ)
春ドラ『アイシテル~海容』オフィシャルサイト
 
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