マンション物件選びのポイント/マンションの間取り

『アイシテル~海容』から学ぶ危険な間取り

春ドラ『アイシテル~海容』の視聴率が好調のようです。少年が少年をあやめてしまう衝撃的な内容ですが、原因の一つに家族の在り方、子育て期の住まいの形が大きく関わっています。ガイドが検証します。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

『アイシテル~海容(前篇)』今日、7歳の息子が殺された―。衝撃のストーリーが始まります。
『アイシテル~海容(前篇)』
今日、7歳の息子が殺された―。衝撃のストーリーが始まります。
春ドラ『アイシテル~海容』の視聴率が好調のようです。少年が少年を手にかけてしまう衝撃のストーリーですが、加害者も被害者もそれぞれ親の愛を受け、ごく普通の家庭で育てられてきた子どもたちです。

それなのになぜこの事件は起こってしまったのか。視聴している多くの人がこの話を身近に感じ、共感し、ドラマに出てくる二人の母親の気持ちに寄り添って見ることのできるストーリーです。

ドラマはまだまだ続きますが、今回は原作マンガからわかる加害者少年自宅の気になる間取りを検証してみます。

マンションの最上階、14階に住む

原作マンガによると、加害者の少年は14階建てのマンションの最上階に住んでいます。仕事に没頭し家庭を顧みないサラリーマンの父、そしてその不満からチャットにはまる専業主婦の母との3人暮らしです。

反対に被害者少年は近くの戸建住宅に住んでいる設定です。自分の家(戸建)と対する高層マンション14階であるところに興味をひかれ、加害者少年の自宅に立ち寄ります。このときマンションの管理人さんに目撃されエレベーターの防犯カメラに映っていたことも、のちに加害者少年を割り出すために役立ちました。

子どもの帰宅に気がつかない危険な間取り

チャットにハマる加害者少年の母。世間から「ダメな母」とレッテルを貼られてしまう。一生懸命子育てしてきたはずなのに…。
チャットにハマる加害少年の母。世間から「ダメな母」とレッテルを貼られてしまう。一生懸命子育てしてきたはずなのに…。
このお話には、加害者少年の母親がもっといろんなことに気がついていたら防げたのではないかと感じるシーンがいくつか折り込まれています。

例えば、前述した加害者少年が被害者の少年を自宅に入れた時もそうですし、この少年が「ただいま」と言わなくなった時、そしてあの事件のあと少年が帰宅した時。いずれも少年は、母に気づいて欲しかったのです。「おかえり」といって出迎えてもらい、自分の変化に気がついて「どうしたの?」と聞いてほしかったのです。

それでも、リビングでチャットにハマっていた母親は、玄関扉を開けて帰ってくる少年の気配を察し取ることができませんでした。こんなにたくさんのサインを出しながら気がついてもらえなかった加害者少年は母親に心を閉ざしてしまいます。反対に、こんなにたくさんのチャンスがあったのに、なぜ母親は息子の帰宅に気付いてあげることができなかったのでしょうか。

次頁に続きます。
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