軟弱地盤は揺れる
地盤の種類はいくつかありますが、腐植土、泥土が堆積された沖積(ちゅうせき)層と言われる比較的新しい地層が厚い場合、一般的に「軟弱地盤」と呼ばれます。軟弱地盤の上に建つ建物は、一般的に地震の時にたくさん揺れます。地震時の揺れが大きくなると、それだけ建物が損傷したり家具が転倒する可能性が大きくなります。また不同沈下が起こりやすくなります。
良い地盤では揺れが少なく、悪い地盤では揺れが大きくなる。 |
軟弱地盤に建物を建てる場合は基礎形状の決定に相当な注意が必要なことや、そのためのコストがかかることを知っておきましょう。
自治体の情報で地盤を知る
良い地盤か悪い地盤か参考になるデータを自治体で発表しているケースがあるので活用しましょう。例えば東京都都市整備局では「あなたのまちの地域危険度」というパンフレットを出しているほかホームページでも確認できます。
参考に、このデータによると東京の地盤は「山地・丘陵地」「山の手の台地」「下町の沖積低地」「台地を含む谷からできている谷底低地」に分類され、この中でも「沖積低地」や「谷底低地」は揺れが増幅されやすいため比較的被害が発生しやすいとされています。先ほども述べたように、沖積層は軟弱といわれる地盤です。
反対に山地・丘陵地や台地などは、古くからの土地で洪積層を中心に形成されたしっかりした地盤なので、地震の揺れが増幅しにくく被害が発生しにくいとされています。洪積層とは建物の支持地盤となる堅固な地盤のことです。
【図4】東京都の地盤の特性(出典:東京都都市整備局)。色分けされ一目でわかる。 |
これらの地域が色分けされているのでたいへん分かりやすい資料となっています(【図4】参照)。
【関連リンク】
データでチェック、地震、水害etc.に弱い街(住みやすい街選び/首都圏)
事前に確認しておきたいこと
住宅性能評価のマーク。住宅性能評価を取得しているとこのようなマークを掲示できます。 |
・事前に地盤調査を行っていること
・軟弱地盤であれば、地盤改良を行ったり支持地盤までしっかり杭を打ち込む等、対策をとっていること
そしてもうひとつ、手抜き工事、欠陥工事でなくきちんと施工された物件であることも、とても大切なことです。
そのような意味でも住宅性能表示制度を利用して建てた物件であると安心です。今や「取っていることが大前提」と言われるほど普及した住宅性能評価です。ぜひこの点も確認してください。
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