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子育てする家づくりの設計法(2ページ目)

子どもの時の記憶には家族や友達などの背景に家があります。愛情にあふれ、のびのび暮らした我が家の記憶を子どもに残すには、どんな家づくりをしたらよいでしょうか。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

4.健康的なスケールと安全な配慮


子どもが友達と話が成立する範囲は約1.8m×1.8m四方といわれます。小さい時にままごと遊びをする時のスペースです。大人の場合4畳半くらいでしょう。高齢者にはバリアフリーなどと議論されますが、子どものための仕様はほとんど設けられていないのが現状です。目の高さ、窓の高さ、取手の高さなど、成長していく段階をふまえ、工夫することでそれらを生かせるデザインを考えることです。例えば、縦に細長い窓や取手を低い位置に設置できるハンドルを選ぶなどがあります。

日本は事故による乳幼児の死亡率が高い国です。特に家の中での事故が高くなっていることは注視すべきです。子どもの視点に立つと、床などは柔らかな畳やカーペットが望ましいといえます。

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5.自然環境を多く取り入れた家づくり


日本は夏を中心に考えると開放的なプランに、冬を中心に考えると閉鎖的になります。この両方を取り入れたプランがよいでしょうが、近年の傾向はやや閉鎖的な印象を多く見受けます。夏はエアコンで、冬も暖房設備で高気密・高断熱を施し、窓からの熱損失を極力抑えようとします。

しかし子どもにとって家の窓は社会に飛び出す窓でもあるのです。かつての縁側が外部との交流スペースであったように、ベランダやガーデニングなどのスペースを積極的につくりましょう。子ども部屋から見られ、また直に触れ合うことができれば他人にやさしく付き合えるような心を育むことができることでしょう。

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人は誰でも自分でつくったものには愛着がわき、大切にします。まして家という高い買物であればなおさら。負担にならない範囲で家づくりに参加してみてはいかがでしょう。そして子どもと一緒につくることができれば、きっと子どもの原風景となり記憶に刻まれるでしょう。どのように家づくりに関わっていくかは、設計士や工務店の人と相談するとよいです。
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