【ガイドの不動産売買基礎講座 No.29】

普段の日常生活では「登記」というものに縁はないでしょうが、不動産の売買には必ずついて回るものです。土地や建物を取得すれば「所有権移転登記」をし、住宅ローンなどを借りれば「抵当権設定登記」がなされます。

今回は、法務局が取り扱う「登記記録」について基本的な構成を説明することにしましょう。

なお、詳しい内容については ≪登記事項証明書(登記簿謄本)の見方≫ をご覧ください。また、登記事務のコンピュータ化により現在は「登記記録」となっていますが、これは従来「登記簿」と呼ばれていたものです。

登記記録は原則として、すべての土地や建物の一つひとつについて作成されますが、土地の場合に国有地では登記記録がないこともあります。また、建物の場合はもともと登記がされていないケースもあるでしょう。

登記記録は基本的に「表題部」「甲区」「乙区」の3つの部分で構成されています。それ以外に「共同担保目録」などもありますが、ここでは説明を省略します。


「表題部」の記載内容

土地や建物の種類や大きさなどを表す部分が「表題部」で、次の事項が記載されています。

【土地の表題部】
不動産番号、所在、地番、地目、地積、原因及びその日付など

【建物の表題部】
不動産番号、所在、家屋番号、種類、構造、床面積、原因及びその日付など

【区分所有建物(マンションなど)の表題部】
不動産番号、所在、家屋番号、建物の名称、種類、構造、床面積、原因及びその日付、敷地権の表示など

登記には、土地や建物に付けられた固有の番号(地番や家屋番号)が使用されます。住居表示とは異なりますから注意しなければなりません。

土地の地目はその利用形態を表すもので、宅地・田・畑・山林・雑種地などに分けられますが、現状と一致していないこともあります。

また、区分所有建物の表題部には建物全体を表す部分と専有部分(それぞれの部屋)を表す部分があり、記載される事項はそれぞれ少しずつ異なっています。

なお、区分所有建物の「敷地権」については ≪マンションの敷地権とは?≫ をご覧ください。


「甲区」の記載内容

土地や建物の所有権に関する事項について登記をする部分が「甲区」で、所有者の住所と氏名が記載されます。

土地を取得した場合は、新しい所有者によって「所有権移転登記」がなされます。建物については、新築をして最初に所有権の登記をする場合が「所有権保存登記」、中古建物を取得した場合が「所有権移転登記」となります。

なお、住宅ローンを滞納した場合の「差押登記」なども、この「甲区」になされます。


「乙区」の記載内容

土地や建物の所有権以外の権利に関する事項について登記する部分が「乙区}で、最も多いのは住宅ローンを借りた場合の「抵当権設定登記」です。この場合、債権額、債務者の住所氏名、抵当権者の住所氏名などが記載されます。

次に多いのが「根抵当権設定登記」で、これは商取引などにおける借り入れを「極度額」の範囲内で何度でも借りたり返したりを繰り返すことのできる契約によるものです。


登記事務はコンピュータ化されている

近年、法務局における登記事務のコンピュータ化が行なわれ、その仕組みもいくつかの点で変更されています。

従来は、法務局で交付する登記簿の写し(コピーして登記官の印を押したもの)を「謄本」(一部分の写しは「抄本」)と呼んでいましたが、現在はコンピュータ上のファイルを出力して交付するようになり、その名称も「登記事項証明書」に変わっています。

従来の閲覧制度に代わって交付されるものは「登記事項要約書」です。

また、従来は謄本(抄本)を取得する際に、該当する土地や建物を管轄する法務局へ直接出向くか、あるいは郵送で申請しなければなりませんでしたが、現在は最寄りの法務局で管轄に関わらず登記事項証明書を取得できるようになっています。

さらに、登記内容を確認するだけであればインターネットで閲覧することができます。ただし、この場合は内容をプリントアウトしても証明書として使用することはできません。


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