たとえば東京都新宿区では、新宿駅の周辺などを除く区内の過半のエリアで20mの絶対高さ制限を導入し、幹線道路沿いなどでも30m、40m、50m、60mの制限を適用しました。
他の自治体でも、建物の無秩序な高層化を防ぐため、20m、22m、28m、30m、35m、45mなど、地域の実情に応じた絶対高さ制限を導入する動きが広がっています。
マンションの高さを制限する動きと緩和の動きが複雑に交錯している
同様に「総合設計制度」や「連坦建築物設計制度」などによって、高さ制限や容積率の緩和措置が講じられたり、容積率の数値自体も最高限度が1000%から1300%へと拡張されたりもしているのです。
国による緩和傾向と自治体による抑制傾向とが複雑に絡み合っている状態ですから、「隣地にどのくらいの階数(高さ)のマンションが建つのか」と聞かれても、「実際に計画されてみないと正確には分からない」としか答えられないケースが多いのも仕方がありません。
もっとも、マンションの建築計画などが持ち上がれば、その近隣で反対運動が起きるのも避けられないご時勢です。周囲が中低層の住宅中心の街区であれば、それほど無謀な高層化計画は立ちにくいともいえるでしょう。
また、敷地の形状や大きさによっては、隣に高層マンションが建てられても十分に離隔距離が保たれて、あまり影響を受けない場合もあるでしょう。高さや階数だけの問題ではなく、全体的なものを考えなければなりません。
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