都市部でマンションを購入するとき、隣に空き地などがあれば別のマンションが新たに建てられる可能性も考えなければなりません。



question
5階建てマンションの最上階の部屋を購入しようと検討していますが、バルコニーが面するほうの隣地は、その一角に使われていない古い倉庫があるだけで広い空き地になっています。販売担当者の話では「今は建築計画がないものの、いずれは別のマンションなどが建てられる可能性はある」ということでした。隣にマンションが建てられてもそれがこちらと同じ程度の高さだとすれば、最上階の部屋を買っておけば日当たりは問題ない(眺望は少し我慢するとして)と思ったのですが、販売担当者に「隣に何階まで建つのか」と聞いてもはっきりと答えなかったので、ちょっと不信感を抱いてしまいました。こちらより背の高いマンションが建てられる可能性はあるのでしょうか? ちなみに隣の空き地の容積率はこちらの敷地と同じで300%だそうです。
(東京都墨田区 匿名 20代 女性)



answer
それぞれの敷地に何階まで建てることができるのかというのは、一見すると簡単なようで実は難しい問題をはらんでいます。

まず、建ぺい率容積率の制限だけで考えてみましょう。たとえば建ぺい率が60%、容積率が300%の敷地だとして、(制限の緩和や付加は考えずに)建ぺい率を限度まで使えば5階建てのものが建つことになります。

これは単純な考え方で、容積率の数値(300)を建ぺい率の数値(60)で割った答え(5.0)によるものです。同様に建ぺい率が80%、容積率が300%の敷地であれば一部を3階建てにした4階建てのものまで建てられます。

マンションの外観

実際に何階まで建つのか、簡単そうで実は難しい

しかし、現実はそれほど簡単ではありません。容積率の制限はぎりぎりまで使おうとするデベロッパーが大半でしょうが、ランドプランなどの関係によって、建ぺい率は必ずしもすべてが消化されるものではないのです。

極端な例で考えると、もし広い敷地で建ぺい率を10%分しか使わずに建てるとすれば、同じ300%の容積率の敷地でも30階建ての建物が可能でしょう。

ところが、建ぺい率と容積率による制限だけでなく、実際には各種の斜線制限日影規制高度地区の制限などもあります。また、以前は低層住居専用地域だけだった「絶対高さ制限」も、自治体ごとの条例により他の用途地域でも定められるようになってきました。

それらの制限を組み合わせたうえで、事業の効率なども勘案して、通常は建物の階数が常識的な範囲内に収まるのです。

ところが、近年は建物の高さを緩和する制度も次々に導入されており、話はたいへん複雑になってきています。


高さを制限する規定と緩和する規定が交錯…次ページへ