【ガイドの不動産売買基礎講座 No.73】

あなたが購入を考えているマンションのバルコニーに面して空地があるとき、そこに新たな建物が建てられる心配はないのでしょうか?

街を見下ろすような高台に建つマンションならいざ知らず、普通であればいまの眺望や日照がいつまで確保できるのか、とても気になるところです。

不動産会社の営業担当者が「何も建つ予定はないですよ」と言ったところで、「いま現在は計画がない」ということでしかないのかもしれません。

隣が公共公園などでないかぎり、基本的には「いずれ何かが建つ」と考えたほうがよさそうですが、現在の空地の状況と都市計画により少し異なる場合もありそうです。


マンションの隣が駐車場の場合

すでに建築計画があって、プラン作り~設計~建築確認の手続き~建築工事に入るまでの間を、主に時間貸の平置駐車場にしている場合があります。

ただし、そのような場合は建築計画のお知らせ看板などが設置されていることが多く、現地で容易に確認することができます。また、何らかの計画があれば不動産会社の担当者からも説明があるでしょう。

その一方で、建築計画などがないまま平置駐車場(月極の場合も多い)として使われていることもあります。

そのような場合、少なくとも土地所有者がその土地の利用に関して積極的な意思を持っているわけですから、採算の合う有効利用法や有利な売却先が見つかれば、一気に建築計画が進む可能性も高いものです。

また、不自然な形状で駐車場などになっている場合には、そこに道路計画があって行政側の買収待ちということもあります。その場合は当然に不動産会社より説明がされるはずです。


マンションの隣が手入れされていない空地の場合

ある程度の土地が放置されているときは、所有者がその土地にまったく関心がなかったり、相続などで所有権が外国や遠方に住む人へ移っていたりする場合もあります。

いずれにしても近いうちにマンションやビルが建つ可能性は低いのですが、土地処分などにより権利が第三者に渡れば、一気に建築計画が進む可能性もあるでしょう。


手入れされた空地の場合

よく手入れされているときは売却物件の可能性も高く、売買契約が成立次第すぐに建築計画が立てられます。「売地」や「○○不動産株式会社管理地」のような看板があればなおさらです。また、所有者自身が何らかの利用計画をもっていることも考えられるでしょう。


マンションの隣が一般の農地などの場合

市街化区域内の農地では宅地並みに課税され、行政サイドでも宅地開発を促しているわけですから、近い将来に何らかの建物が建つ可能性が高いものと考えたほうがよさそうです。


生産緑地法で指定された農地の場合

この指定があると土地の一角に表示看板が立てられます。市街化区域内で一定の要件を満たす農地などがこの指定を受け、良好な都市環境の保全などを目的として、営農義務が課せられる代わりに宅地並み課税が免除されています。

「生産緑地地区」では住宅などの建築も禁止されますから、眺望や日照を阻害する建物が建つ心配も当分はありません。

ただし、指定(告示)の日から起算して30年を経過したときや、農業などの主たる従事者が死亡したとき(もしくは継続が不可能となる障害を持ったとき)には、市町村長に対し時価で買い取ることを請求することができます。

このときに地方公共団体などが買い取れば、その土地は公園や公共施設用地などになりますが、買い取らなければ生産緑地に関する制限が解除され、土地所有者がマンションやビルを建てることも、あるいは第三者へ売却することも可能となります。


都市計画の確認も必要

いずれにしてもマンションに隣接して空地があれば、いずれは他のマンションやビルなどが建つ可能性も高いのですが、それが第1種低層住居専用地域であればあまり高い建物は建ちません。気になるときは隣地の都市計画(用途地域容積率など)を確認しておくことも大切です。

また、これから人口減少が本格化するなかで、郊外などでは放置されたままになる土地が増えることも懸念されます。隣に建物が建つ心配よりも、荒れ放題になって生活環境が悪化する心配のほうが大きくなるケースもあるでしょう。


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