住宅ローンの支払いが苦しくなったら、あるいは苦しくなりそうだったら、家計の見直しと同時に、いま借りている住宅ローンを早急に見直すことも必要となってきます。

困り顔
住宅ローンの支払いに窮する前に、早めの対策も必要
住宅ローンの支払い条件を変える手段としては、大きく分けて「いま借りているのとは別の住宅ローンへの借り換え」と「いま借りている住宅ローンの条件変更」のふたつが挙げられます。

今回はこの「住宅ローンの借り換え」と「住宅ローンの条件変更」について、それぞれの注意点などを中心に考えてみることにしましょう。さらに「個人民事再生」についても簡単に説明をします。


住宅ローンの借り換えは、支払いが苦しくなる前に!

住宅を購入するときに借りる住宅ローンとは別の商品として、「借り換え専用住宅ローン」を取り扱う金融機関も多くなっています。借り換えのパターンとしては、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)などの公的融資から民間融資へ、民間融資から民間融資へ、民間融資から公的融資へといった組み合わせが考えられるでしょう。

このうち民間融資から民間融資への借り換えは、いま住宅ローンを借りている金融機関とは “別の” 金融機関へ申し込むことが従来の原則でした。これを金融機関の立場からみれば「優良顧客の引き抜き」であり、決して「延滞リスクが高い顧客の引き受け」ではありません。

最近は同じ金融機関での借り換えができるケースも増えているようですが、その場合は「優良顧客の引き留め」ということになります。

そう考えると、住宅ローンの借り換えは収入減などに直面してから検討するのではなく、支払いに困る前、つまりあなたが “優良顧客” であるうちにやっておくべきだということが分かるでしょう。

いままで支払い続けている住宅ローンの金利が高い場合はもちろんのこと、旧住宅金融公庫の直接融資による2段階金利でその金利改定期を過ぎた場合、短期固定金利による低金利期間が終わる場合、金利優遇期間が終わる場合などには、借り換えの成否はともかくとして、借り換えによる効果を積極的に検討、試算をしてみるべきです。

ただし、住宅ローンの借り換えにあたっては、新規で借りるときと同様の諸費用(抵当権設定に係る登録免許税司法書士への報酬、住宅ローン保証料、金融機関の事務手数料、火災保険料、金銭消費貸借契約書に対する印紙税など)のほか、借り換える前の住宅ローンについての抵当権抹消費用も必要です。借り換える金額や相手先の金融機関によっても大きく異なりますが、数十万円(一般的に20万円~50万円ほど)の費用負担は避けられません。

一般的には、住宅ローンの残高が1千万円以上、残りの返済期間が10年以上、借り換えによる金利ダウンが1%以上の3条件を満たせば、借り換えたほうがトクだとされていますが、借り換えに伴う諸費用や借り換え後の住宅ローンの支払い条件などを勘案して、じっくりと検討することも必要です。同じ金融機関内での借り換えが可能な場合には、諸費用を抑えられることや手続きがスムーズになるといったメリットもあるため、0.5%程度の金利差でも借り換えたほうがよいと判断できるケースもあるようです。

なお、これまで長期固定金利型だった人が変動金利型の住宅ローンに借り換えれば、目先の支払い額を下げることができる代わり、新たに将来の金利上昇リスクを抱え込むことになります。単純に金利差や毎月の支払い額の違いだけをみて借り換えを判断するべきではありません。

余裕をもって詳細にチェック、試算、検討をするためにも、収入や生活にゆとりがあるうちに住宅ローンの借り換えに取り組んでおきたいものです。さらに、借り換えにあたっては当然ながら金融機関による審査があります。すでに収入減に直面していたり、住宅ローン以外の借り入れやクレジットカードの利用金額が大きくなっていたりすれば、思いどおりに借り換えができないこともあるので注意が必要です。


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