王妃の谷とネフェルタリの墓
王妃の谷。王妃という言葉はついているものの、実は埋葬されているのは王妃とは限らない ©牧哲雄
ネフェルタリはラムセス2世の妃で、古代エジプトで最高の美女といわれる女性だ。ラムセス2世は彼女のためにアブ・シンベル小神殿を建築し、亡くなった王妃のために美しい墓を造り、壁面に「私が愛したのはただひとり。あなた以上の人はいない」と刻み込んだ。
この墓は1995年に修復されたばかりで、壁画の状態がもっともよく、もっとも美しい墓として知られている。ただし、観光客の湿気が壁画を劣化させるとして、1日の入場者は150人、見学時間も10分に制限され、他の墓の数倍の入場料がかかる。
ハトシェプスト女王葬祭殿
断崖の前にたたずむハトシェプスト女王葬祭殿。背後の裏山の向こうが王家の谷 ©牧哲雄
愛と美の女神ハトホルを彫り込んだハトシェプスト女王葬祭殿の柱 ©牧哲雄
なお、トトメス3世はふたたび王位に就いた後、ハトシェプストの像をことごとく壁画から削り取った。