飛行機に乗ってナスカの地上絵を眺める!

全長55mの「サル」。アマゾンのサルだという噂もあるが、ナスカからアマゾンまでは車で20時間程度。人類のダイナミックな移動を考えれば、交流があっても不思議ではない ©牧哲雄

全長55mの「サル」。アマゾンのサルだという噂もあるが、ナスカからアマゾンまでは車で20時間程度。人類のダイナミックな移動を考えれば、交流があっても不思議ではない ©牧哲雄

絵を見るにはやっぱり飛行機に乗るしかない。というわけでセスナに乗る。このときのセスナは4人乗りで、左右どちらにも窓があり、地上絵では左右両方に旋回してどちらの窓からも見えるように案内してくれた。8の字に飛ぶわけだから酔う人もたくさんいるようで、一応酔い止めを飲んでから乗り込んだ。

セスナから見たパンパ。川の跡が無数に走っている。下の直線はパン・アメリカン・ハイウェイ ©牧哲雄

セスナから見たパンパ。川の跡が無数に走っている。下の直線はパン・アメリカン・ハイウェイ ©牧哲雄

空を飛んでまず驚くのは大地一面の川の跡。水がないというが、大地を見る限り川の跡ばかり。これってもしかしたら数千年前の川の跡なんだろうか? 地上絵のあるパンパに到着すると、今度は一面を直線が覆っている。あまりのまっすぐさに、最初は道路だと思ったが、道路にしては多すぎる。聞けばこんな直線は数百から数千もあるのだという。

浜松や羽田でも飛んだことがあるというパイロットは「サル」「クモ」と英語と日本語で叫びながら上空を旋回する。有名な地上絵の大きさはだいたい50~200mほど。ほとんどの絵は空から見るとはっきりその姿をとらえることができるが、小さいものはどこにあるのかわからない絵もあった。事前にしっかり地図と写真を見て、予習しておいた方がよさそうだ。

 

地上絵はいつ、どうやって作られた?

この「ハチドリ」は全長50m。羽を広げた姿をとらえているようだ ©牧哲雄

この「ハチドリ」は全長50m。羽を広げた姿をとらえているようだ ©牧哲雄

いつ地上絵が作られたのか? これについてはかなり特定されてきている。地上絵の研究はドイツの女性考古学者マリア・ライへが先鞭をつけた。地上絵に魅了されたライへはこの地に住み着いて研究を行ったが、その過程で地上絵の下絵と見られる小さな図形と、地上絵の直線の終点に打ち込まれた杭を発見した。どうやら下絵を描き、その数十倍の大きさのものを、杭を使って形と大きさを確認しながら描いたようだ。

大地に伸びる数々の直線。道路ではなく、これも地上絵 ©牧哲雄

大地に伸びる数々の直線。道路ではなく、これも地上絵 ©牧哲雄

骨や木など、有機物が発見された場合、炭素同位体法という方法で年代が測定できる。その結果、杭は500年前後のものであることがわかった。この地には紀元前2~紀元7世紀前後までナスカ文化が栄えていたため、この時代のものであることは間違いなさそうだ。

では、どうやって作ったのか? 答えはとてもシンプルだ。この辺りはほとんど雨が降らず、年間を通して時間にして15分ほどだと現地ガイドがいうほど。強烈な太陽が容赦なく大地を照らし、大地は熱せられて長い年月を経て赤褐色に焼ける。この赤褐色の砂を30cmほども掘れば白い新しい砂の層が現れる。