神が住まう宮殿ポタラ
薬王山白塔から見たポタラ宮。中央の赤い壁の部分が最高の聖所である紅宮で、仏殿や歴代ダライ・ラマの霊塔などからなっている
ポタラ宮は政治機能を司る白宮と、宗教機能を司る紅宮からなり、部屋数は千をゆうに超える ©牧哲雄
ラサ観光のハイライト・ポタラ宮は7世紀にソンツェン・ガンポによって建立された。1642年にチベット政府ガンデンポタンが成立し、ダライ・ラマが政権を確立すると拠点をポタラ宮に定め、大幅な改築を行った。ダライ・ラマは観世音菩薩の化身、つまり神である。だからポタラ宮は神の家なのだ。
天に向かってそびえ立つその姿はまさに天空の城 ©牧哲雄
神の離宮ノルブリンカ
ノルブリンカのタクテン・ポタン。中にはダライ・ラマ14世が使った家具やレコード・プレイヤーがいまも残る ©牧哲雄
ノルブとは宝を、リンカとは庭を示す ©牧哲雄
ダライ・ラマ14世はノルブリンカの中にタクテン・ポタンと呼ばれる宮殿を建築してここで暮らしていたが、1959年のチベット動乱の際、中国の人民解放軍の追跡を逃れるために密かにこの離宮を脱出し、インドへ亡命した。タクテン・ポタンにはダライ・ラマ14世が愛用していた数々の調度品がいまもそのまま収められている。
広大な園内でくつろぐチベット人や中国人の家族もたくさん見られ、避暑地らしいのんびりとした空気がチベット寺院とはまったく違う空気を感じさせてくれる。