奥の松は「奥州、二本松」の「奥」と「松」からつけられたのだ
300年の歴史を持つ奥の松酒造 |
東に阿武隈山系の丘陵地、西には高村光太郎「智恵子抄」にもうたわれた安達太良山。お酒造りには最良といわれる二本松市で、享保元年(1716年)創業、現在280余年を迎えるのが『奥の松酒造』だ。
「奥の松という名前は、「奥州二本松」の「奥」と「松」からきたんですよ。
これ英語にするとThe Pinetree in the deep forest.とかいわれちゃうんですけど、ちょっと違うんだよな~」と笑うのが、19代目当主となる遊佐勇人氏。
今回うかがったのは、昭和49年に建設された「八千代蔵」だ。酒造りには絶好の自然環境と豊かな伏流水のある安達太良連峰のふもとに位置するまさにディープ・フォレストの中の蔵だ(あ、違ったかな・・・ははは)。
八千代蔵 |
さらに、この八千代蔵は、最新設備が完備された近代醸造蔵だった。
なにより注目は、クリーンルーム完備のボトリングシステムだろう。
クリーンルーム完備ということは、異物を完全シャットアウトし、完璧な低温瓶詰めが可能になったということ。
ウォーマーとクーラー両方の温度管理が出来るパストライザー(瓶詰め後殺菌設備)を導入したことによって、酒質にあった温度管理と、酒質に影響を与えず新鮮さを保つことができる。このシステムだと、原酒の持つ力強さや豊かな味わいと香りをそのままに瓶詰めできるのだ。おどろくことに、ビールでは珍しくないが、日本酒メーカーには実はまだとても少ないのだ。
パストライザーも備えた最新の製造ライン |
ラベルやボトルにも裏技が・・・
奥の松は印象的なラベルやボトルが知られている。「純米大吟醸 雫酒 金之丞」や「大吟醸 雫酒 十八代伊兵衛」のラベルの文字は、草月流家元勅使河原宏氏のものだとか。もちろん、郷土の手すき和紙を使っている。
独特なボトルデザインも、リサイクル可能なリターナル瓶で、この形、どこから見ても奥の松とわかるボトルじゃないだろうか。奥の松サイトをごらんいただくと、この形、けっこう綿密な設計のもと造られていることがわかる。
っんもう、凝り性なんだからぁ・・・。
<純米大吟醸雫酒 金之丞>
酒袋から自然に滴り落ちる「雫」のみで造った逸品。繊細で芳酵な香味。
1800ml 15,750円
720ml 7,875円
<大吟醸雫酒 十八代伊兵衛>
酒袋から自然に滴る雫だけを集めた貴重な酒。大吟醸造りの繊細さと、芳酵な香味が絶妙です。
1800ml 10,500円
720ml 5,250円
凝り性といえば、社長、カースポーツがご趣味のようで、なんと、国内レース最高峰のフォーミュラ・ニッポンのシャンパン・ファイト(=勝利の美酒)に、「奥の松 純米大吟醸FN」が選ばれちゃったりしている。
あの、表彰台の上で入賞者がシャンパンをブシューッてかけあうやつね。あれを日本酒でやってしまったという。これはある意味快挙。日本でのレース、何もわざわざシャンパンにすることないもんね。すごいすごい。
すごいのはこれだけじゃない。奥の松本社には、レースカーまで展示されている。それも2台。私は詳しくないからよくわからんのだけど、何か有名なものなのだとか・・・。
奥の松本社にはこんなものまであるのだ!乗せてもらった♪ この横にはなんとマッチ(近藤雅彦)が乗ったレースカーもあったぞ~! 遊佐社長の趣味だとか・・・。社長、あなたって人は・・・ |
<純米大吟醸FN>
これがシャンパン・ファイントならぬ日本酒・ファイトで使われている銘柄だ。
1600ml 10,500円
720ml 5,250円