日本酒/酒造、酒蔵訪問

福島うまい酒うまいもん探訪5 奥の松酒造(2ページ目)

福島シリーズ最後は二本松の二大巨頭のひとつ「奥の松酒造」。伝統と革新で突き進む人気蔵の秘密と最新情報を探ってきた。友田も参加するイベント情報もあるよ。

友田 晶子

執筆者:友田 晶子

日本酒・焼酎ガイド

注目の「全米仕込み」とは!

今、奥の松一押しなのは全米吟醸だ。
え? 全米(ぜんべい)で吟醸酒を発売するの?・・・って、そうではありません。これは「ぜんまい」と読むのです。奥の松、すでに全米(アメリカ)で売れてますし・・・。

この全米仕込みとは、奥の松の純米酒を自社蒸留(単式蒸留器で減圧蒸留)した、ピュアなアルコールを使用し仕込んだ清酒ということ。この蒸留酒は、いわば米焼酎ということになるが、アルコールが高いので米スピリッツになるのだとか。これを醸造アルコールにかわり使用したものが全米仕込みの清酒ということになる。

普通、アルコール添加の際に使われる「醸造アルコール」は、米のほか、サトウキビや麦、とうもろこしといったでんぷん質や糖質を含んだ原料を蒸留したエチルアルコール。日本酒の基本である米でないものから造ったアルコールの可能性が高いのだ。

この奥の松の自社蒸留、米スピリッツは、日本酒のもとである「米」が原料であるだけでなく、純米酒の蒸留酒なので、ぴりぴりしたところがなく、実にまろやかなうま味を持つ仕上がりなのだとか。

さらに、今回の自社蒸留の純米酒スピリッツは、他の米焼酎と比べると香気成分である「カプロン酸エチル」と「酢酸イソアミル」が通常の3~10倍含まれていることがわかった。この香り、吟醸酒になる、デリシャスリンゴやバナナ、梨、白桃などのようなフルーティーな香りのこと、ですね。

実際テイスティングすると、華やかな香りがまずとても印象的で、味わいはドライで都会的なニュアンスを持った仕上がりだった。



本物=純米酒・・・だろうか・・・?

「本物=純米酒」という公式を持つ日本酒ファンもいるかもしれないが、私は違う。
アルコール添加は、日本酒造りや日本酒の歴史のなかで重要で有用な技(腐敗を防ぐために編み出された柱焼酎や、物資が足りないときのアイディア)なのだ。時代に流されない造りを目指す。
実際、醸造アルコール添加の日本酒のほうが、艶があって滑らかに感じることがよくある。この添加アルコールの質がよければ、なおさらいいではないか。

またシェリーやポルトやマデイラなどなど、アルコールを添加する醸造酒は世界に多いし、だれもある点を否定する人はいない。むしろそのお酒の長い文化として重要視されているくらいだ。

この全米仕込みは、この酒精強化ワインの日本酒バージョンだといえるだろう。
先に書いたように、新鮮な状態での瓶詰めをしているので、出来立てを楽しむことも出来るが、酒精強化ワインのように、しっかりたっぷり熟成させても面白いかもしれない。新しい概念の日本酒として、注目していきたい。




<全米(ぜんまい)大吟醸雫酒 伊兵衛>
1800ml 10,500円
 720ml 5,250円





<全米(ぜんまい)大吟醸>
 720ml 2,100円






<全米(ぜんまい)吟醸>
手ごろに楽しめる全米。小さいサイズがあるのもうれしい。くれぐれも「ぜんまい」ですよ。「ぜんべい」ではありません。
1800ml 2,394円
720ml 1,092円
300ml  473円




ひとつだけうまいもん情報




奥の松ご見学の時には、ここのおそばを。 ボリュームのある「箱そば」がおすすめ。

「鈴石屋」 0243-22-0478
 福島県二本松市亀谷2-230




  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます