桶仕込み保存会のイベント開催


実際に酒仕込みに使う桶はこんなに大きい。
4月8日六本木アカデミーヒルズにて『桶を考えるシンポ 桶 OKE OK  いまさらおけを考える会』(←長い)が「桶仕込み保存会」主催で行われた。

「息をする木の桶でこそ醸し出せる味がある。木肌に棲みつく微生物が、人知を超えた働きをする。そんな桶が醸すもの・熟成させるものをゆっくり大切に味わいたい」がコンセプト。

記念講演“OKEトーク”は、小泉武夫先生の「桶と日本文化を考える」。
先生の「日本人というのは、桶というものに本当にお世話になっているのです。生まれたときは桶で産湯を使い、死ぬときは棺おけ(笑)。まさに任せてオケ~なのです!」というお茶目で説得力のある「つかみ」で思わず納得。


小泉武夫先生のお話はいつもチャーミングだ。
この先生のお話で、実は桶というのは、今まさに絶滅の危機に瀕していることがよくわかった。現に今、大ぶりの桶を作れる職人さんは、日本になんと5人しかおられないのだとか。さらに、江戸時代、江戸の町には130万人の人口のうち、桶屋が1400件あったのだとか。つまり1000人に一人。江戸町民の生活用品のほとんどがこの桶でできていたわけだけど、今となっては想像もつかない数だ。
とくに、日本酒造りで使用される桶は、実に50種類もあったのだとか。これも驚き。日本酒と桶は切っても切り離せない関係なのだ。

日本は「木」の文化、中国は「石」の文化。桶は日本文化のまさに象徴なのですとおっしゃる小泉先生のお話はいちいち納得できる小泉チルドレンの友田でありました。


桶仕込みの日本酒、言いだしっぺは金髪青い目のアメリカ美女


セーラさんはとてもチャーミングな女性。
今はすっかりタンク仕込に変わってしまった日本酒メーカーの方々が、昔ながらの桶仕込みに再び着目し、桶仕込みにトライし始めたことはこのサイトでもご紹介した(→「『奥の松』国際コンペで銀メダル」)が、この桶仕込み復活劇の言いだしっぺは、長野県は小布施の蔵元「枡一市村酒造場」のセーラ・マリ・カミングスさん。彼女の取材もこのサイトで紹介しているので覚えている方もあるかもしれないが(→「ブロンド美女、老舗酒蔵救世主に」)、まさに金髪・青い目の蔵元さんとして各界から注目されている女性なのだ。

長野オリンピックで来日して以来、日本の伝統文化に魅了されたというアメリカ女性が、桶仕込みなんていまさら考えてもいなかった日本酒業界に訴えた。せっかくの優れた文化「桶仕込」を復活させるべきだと説得したのだ。

パーティーには田中長野県知事や辰巳卓郎さんも参加。
でもあまりの突拍子もない話に「変な外人」と驚き敬遠されたが「そんな考え方だから日本酒業界がだめになるんだ!」とさらに叱咤激励。むむむむ、なかなかやるの~。で、これで目覚めた蔵元たちがいた。「これじゃいかん」「いや、逆に面白い」と数社の蔵元が立ち上がった。

他文化からの視線でこそ再発見できる優れた日本文化。われわれ日本人の無くなりかけた感性を彼女が目覚めさせてくれたというわけだ。