日本酒/日本酒関連情報

米国人日本酒ジャーナリストジョン・ゴントナー氏語る 各地で日本酒イベント盛り上がる(2ページ目)

じわじわ来てますよ。え? 何がって? 日本酒ですよ、日本酒。この秋、復活の兆しが、来てるのだ~。アメリカ人日本酒ジャーナリスト、ジョン・ゴントナー氏の興味深いインタビューも必見。

友田 晶子

執筆者:友田 晶子

日本酒・焼酎ガイド




日本語ぺらぺらの日本酒ジャーナリスト
ジョン・ゴントナー氏

イベント当日、料飲専門家団体連合会の勉強会にて、アメリカ人日本酒ジャーナリストのジョン・ゴントナー氏の『アメリカにおける日本酒の現状』というお話をうかがった。
とても興味深い内容なのでここで紹介しよう。ちょっと元気が出るお話だよ。

《外国人から見た日本酒》


お~とっとっと、もっとついで~
まず第一に日本酒はとても魅力のあるお酒だと感じます。

現在、アメリカに輸入されている日本酒の量は、2059kl。1升瓶にすると114万本です。前年に比べると10~12%増加です。

アメリカは取り扱い輸入銘柄登録制なのですが、現在、300~400アイテムが流通酒として登録されています。ニューヨークでは、今や80銘柄くらいは簡単に手に入るのが現状です。 2059klのほとんどは特定名称酒だろうと思います。この特定名称酒の輸入が増えてことが注目です。


お着物姿が素敵
アメリカには6000件ほどの和食やさんがあり、今までは、特定名称酒ではなく、いわゆる「経済酒」を取り扱っていたところが多いのです。この「経済酒」はアメリカ内にある5ヶ所の清酒工場で造られているものです。たとえば、月桂冠、松竹梅、大関、桃川、やえがきなどですね。とくに「経済酒」は熱燗として飲まれていました。ちなみに国内生産量はおととしで7470kl。1升瓶で420万本という数字です。
しかし、最近では、美味しい日本酒に注目があたっています。たとえば、ニューヨーク・タイムズ紙7月号では『日本酒特集』が掲載され、国内生産酒ではない5銘柄が取り上げられています。こういった影響力のある評判のいい新聞や雑誌に日本酒が取り上げられる機会がとても増えましたね。


質問にも答えにも力が入ります。
10年前は和食店にしか日本酒が置いてなかったのですが、それ以外のお店にも置かれるようになってきた、たとえばアメリカ料理でも、です。ちなみに、【WINE&SPIRITS】の1月2月号で、全米の高級レストランで日本酒がオンリストされているという記事も掲載されていました。

もちろん小売店にも日本酒が置いております。
マンハッタンの『アンバサダー・ワインショップ』は常に100種類のアイテムをそろえています。『トルー・サケ』はサンフランシスコの日本酒専門ショップですが、非常に売れ行きもよく、最近1取り扱いアイテムを100種から120種にしたとも聞いています。


ふ~ん、こんな味がするんだ~、
なるほど…
なぜ今日本酒なのでしょう。
アメリカでの日本酒ブームはたぶん今回で3回目でしょう。
理由は「普通の消費者の知識がアップしたこと」が大きいでしょう(これは日本においてのワインブームと同じように思う:友田)。試飲会や飲む場所でも「酒米は何ですか?」という質問が出ますから。

しかし、西海岸東海岸のみで、まったく知られていない地域があるのも現状です(ワシントンDCもまだ知られていない)。
知られていない問題点のひとつは「法律」のことですね。日本とシステムが違い、問屋は問屋、小売りは小売りと分かれていて、それぞれに在庫するのを嫌っているからです。 もう一つは、「言葉が難しい」こと。意味がわかりづらいのです(日本人はまじめなのでワインのこと勉強しましたね~:友田)


日本酒ジャーナリストの葉石かおりさん
のお話もあった。
さらに、やはり「価格」の問題。まだまだ高いです。特にマージンは日本の倍ですから。20ドル出せば美味しいワインがたくさんある。日本酒は20ドル切れないのです(ワインは高いほうが売れるっちゅうのに・・・:友田)。

あと一つは、「日本酒=熱燗」のイメージが未だ強いということ。ソムリエなどプロの人がそう思っていることが多いのです。

まあ、知識と一緒にトレンドが伸びていくものですから、今からに期待しましょう。 日本人が知らない日本酒のお話でした(笑)。
(2004.8.22有楽町「宝」にて)


なるほど、まだまだ問題点がありそうだが、しかし、アメリカでの日本酒人気もじわじわ拡大しているようで、これから目が離せなさそうだ。


「宝」特製おつまみメニューはこれ!


お料理のおいしさも盛り上がった要素
の一つ!
  ●近江八幡、信玄公が愛した『赤こんにゃく煮』
  ●四国名物『じゃこ天』
  ●焼津『黒はんぺんの網焼き』
  ●山形名物『芋煮』
  ●房総半島特産『クジラのたれ』
  ●山口県静ケ浦のプリプリ『いたわさ』
  ●福島県川俣産の『しゃも燻』
他た~くさん。

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