実際にきき酒をしてみると、ややこしいと思われた日本酒が、いくつかのタイプに別れることがわかります。Vol.1では、香りや味わいの特徴から以下の4つのタイプに分けてみました。

  <1>香りが華やかなタイプ
  <2>フレッシュで爽やかなタイプ
  <3>コクと旨味のあるタイプ
  <4>熟成した深みのあるタイプ


ではこの回で、それぞれの「飲み頃の温度」「美味しくしてくれる酒器」「よく合うお料理」「美味しい季節と旬の銘柄」など、具体的な愉しみ方をあげてみましょう。





冷やからお燗まで、これほどさまざまな温度でのめるお酒というのは日本酒だけといっても過言ではありません。また、冷ややお燗も温度ごとに、美しい呼び名や表現がついているのです。まずそれを知ってみましょう。


[冷やの表現]
  ・0℃  みぞれ酒(みぞれざけ)
  ・5℃  雪冷え(ゆきひえ)
  ・10℃ 花冷え(はなひえ)
  ・15℃ 涼冷え(すずひえ)

[お燗の表現]
  ・30℃ 日向燗(ひなたかん)
  ・35℃ 人肌燗(ひとはだかん)
  ・40℃ ぬる燗(ぬるかん)
  ・45℃ 上燗(じょうかん)
  ・50℃ 熱燗(あつかん)
  ・55℃ 飛びきり燗(とびきりかん)


では、4タイプそれぞれの一番美味しい温度はどうでしょう。


<1>香りが華やかなタイプ
雪冷え、花冷え、涼冷え、常温(20℃前後)、ぬる燗、オン・ザ・ロックス
・華やかな香りを生かすため冷やかぬる燗で

<2>フレッシュタイプ
みぞれ酒、雪冷え、花冷え、涼冷え、オンザロックス、クラッシュアイス
・爽やかさを生かすため冷やか氷入りで

<3>コクのあるタイプ
涼冷え、常温、日向燗、人肌燗、ぬる燗、上燗、熱燗、飛びきり燗 
・幅広い温度で楽しめるタイプ

<4>熟成タイプ
雪冷え、花冷え、涼冷え、オンザロックス、常温
・冷やだと癖がなく、温度を上げると個性が出てくる

 ※骨酒、甲羅酒、ヒレ酒などは、飛びきり燗がおすすめです。




次に、それぞれに合った酒器はどうでしょうか。見てみましょう。

<1>香りが華やかなタイプ
  ワイングラス、切り子、ロックグラス、磁器
  • 大ぶりでチューリップ型が香りをより楽しめる。また、冷で飲むときはガラスの涼しげなものもおすすめ


<2>フレッシュタイプ
  ワイングラス、シャンパーニュグラス、ロックグラス、切り子、竹

  • 常に冷えた状態を楽しめるように中ぶりか小ぶりのグラスで涼しげなもの。竹を冷やして水滴をつける演出もいい


<3>コクのあるタイプ
  陶器、磁器、漆器、升、錫
  • 常温からお燗で飲むときが多いので、焼き物で手のぬくもりの伝わるような温かみのあるものがいい。また、錫はお燗のお酒を美味しくしてくれるといわれる


<4>熟成タイプ
  シェリーグラス、カクテルグラス、白磁
  • 香りが個性的なので小ぶりのグラスで控えめに。美しい琥珀色を生かす白磁もおすすめ