阿佐ヶ谷はディープに楽しめる個性派の店が多いといわれるが、今回酒飲み仲間に紹介されたのが『善知鳥』(うとう)。青森の県鳥『うとう』の名のとおり、青森の美味しいおつまみと店主の選んだ今が旬の新鮮なお酒を楽しめる通好みの店だ。
JR阿佐ヶ谷駅北口から線路きわを商店街に向かって行く。
とおりから少し脇に入ったところに、ほんわりと柔らかい光がともる、縄のれんの横には『善知鳥』の文字。7,8人のカウンターに小上がりのこじんまりした造りだけど、落ち着く店内だ。
■やさしく灯る明かりが目印■
「はい、青森出身なんです」とご主人の今悟さん。
聞きなれない『善知鳥』は『うとう』と読み、青森の県の鳥で海鳥なのだとか。
おつまみにはバクライやイチゴ煮、なまこに津軽漬けともう文字通り青森の名物が並ぶ。他にも、脂ののった甘味のあるサバの昆布じめ(500円)やコクのある湯葉のお刺身(700円)、思わずお酒がすすむ練ウニやほたるいかの沖漬けもうれしいおつまみだ。
「最初にお勧めなのは、あっさりした福島は喜多方の『至誠 一貫』ですね。そのあとに宮城の『阿部勘』、それからしっかりとした『隆』といかれてはどうですか」と、親切なアドヴァイスをしてくれる今さん。やはりご自分で選ぶという、さまざまな酒器に少しずつ注いでくれるので、ゆっくりといろんな種類の銘柄を楽しめる。
■ご主人の今悟さん。手にするのは青森の『豊盃』■
青森の銘酒『田酒』や『豊盃』がある。それに、最近勝手に恋してる『醸し人九平次』もそろっている。田酒が造るその名も『善知鳥』は艶があってなめらかで柔らかい味わいだ。どれも400円から600円というお手頃価格。
「この前、今さんと一緒に青森ツアーに行ったんですよ」と語るのは、ここを紹介してくれた真由美さん。我がワインバー・アルファのお客様でもあり、私の飲み友達でもある。
我々のあとから入ってきたお客様たちとも言葉を交わしていたから、“善知鳥お酒の会”みたいな仲間が出来上がっているようだ。
だんだんと気持ちよくなってきて、タラの芽を揚げる今さんの手を止めるように、いろんなことをうかがうと、
「もともと建築設計士だったんです。お店をはじめて丸3年」とのこと。ソフトな面
持ちの中にも、しっかりとした芯をもつ39歳、B型。独身・・かどうかはわかりませ
ん(しまった、聞くのを忘れた・・・)。
■真中が真由美さん。善知鳥の愉快な仲間たちだ!■
「ね、ね、最後に茄子カレー食べて。すっごく美味しいの」という真由美さんの言葉通り、ぴりりと辛味のきいたコクのある美味しいカレーは飲んだあとにはたまらない。1時までという営業だけど、お客さんがいる限り開けているというのもうれしい。しっとり落ち着いて飲みたい時には絶対お勧めのお店だ。
お近くの方も、そうでない方も、わざわざ行く価値あるお店です。
●『善知鳥』 杉並区阿佐谷北2-4-7 TEL:03-3337-8734
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