正確な地図のデータベースは地道な努力の賜物
この「キッズセーフティマップ」を製作したゼンリン東海の石原社長にいろいろとお話をうかがいました。ガイド:家屋情報(家形入り)の全国地図データベースを持つのは、ゼンリンだけと、きいていますが、その地図データベースはどのようにして作られるのですか?
石原社長:毎年(一部2~3年)年間延べ28万人の調査員が地道な「人間の足」を使い、現地全踏破によるメンテナンスを実施しています。どんな山奥であれ、道があれば必ず調査しています。そして、ゼンリンには、60年ほどの全国の地図づくりにより積み上げてきた情報の蓄積があります。
このような超アナログな活動がベースにあって全国の地図データベースが作成されています。一見、デジタル技術があればどこでも出来そうですが、これがなかなかそういかないんです。この地味な『現地調査』を見落とすと地図づくりはうまくいかないんです。
ガイド:キッズセーフティマップを作ろうと思われた動機をお聞かせください。
石原社長:このような地図データベースを持つ『ゼンリン』にしか、このキッズセーフティマップのような企画地図はできないものと思います。
ゆえに、このゼンリンしか持たない資産をもっと世の中に役立てたい、といった思いで製作に着手しました。本当に子どもたちの安全につながって欲しいという素直な気持ちです。
ガイド:キッズセーフティマップの評価はいかがでしたか?
石原社長:今回、第一号として御殿場市版を作成しましたが、御殿場市行政の担当者の方には、大変高い評価を頂いております。他の行政にも紹介をしたのですが、どこも大変高い評価をして頂いております。そのため、この9月までに3市町村の製作に着手する予定です。
評価されている点は、
- マニュアルの部分がイラストなどで子どもたちに分かりやすく表現されている
- 家形入りの地図なので分かりやすい
- 地図編集の大変さ、からの解放(子ども110番だけでの御殿場市でも1600件弱あり、それを行政だけで編集するのはかなり大変)
- 行政の予算ではここまでのものが作れないので、ゼンリンが協力をしてくれるのが助かる
ぜひ、この『キッズセーフティマップ』を全国の子ども達の安全のために、役立てていただきたいと思います。
■「キッズセーフティマップ」に関するお問い合わせ先
株式会社ゼンリンプリンテックス TEL093-372-3303
安全対策に万全はありません。地域で取り組まれている、さまざまな防犯対策に加え、ひとりひとりの意識を高めることも必要です。凶悪な事件が身の回りで起こるはずがないという心のすきがあるのかもしれません。
私たちは、挙動不審な人物、見慣れない車などに対して、厳しい「目」を光らせなければなりません。私たちは、知っている子どもだけでなく、知らない子どもに対しても、共に見守る姿勢が必要になっています。
今回ご紹介したような地域に密着した防犯ツールで学んだり、防犯教室で学んだりしたことを、学校だけでなく家庭でも話し合う機会を設け、親も子もそれぞれの意識をさらに高めていくことが重要だと思います。
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