ブラッスリー ジェルバの「ラム肉のクスクス」。素材の旨みだけで煮込んだシンプルな味わい。 |
最近、こんなことをよく聞かれる。チュニジア料理はイタリア料理と似たところがあるし、きっとクスクス人気も相まっているのだろう。珍しい料理が食べたいけれど、あまり個性的な味でないほうが・・・というかたには、チュニジア料理はとてもしっくりとくるようだ。
そんな昨今のチュニジア人気もあるのだろうか、ここ数年で、雨後のタケノコのようにチュニジア料理店が続々とオープンしている。もっとも最近オープンしたお店が、こちら「ブラッスリー ジェルバ」だ。
オープンは今年の1月16日。場所は、都営三田線の志村坂上駅から徒歩3分ほど。街路樹が立ち並ぶ駅前通りの一角に、その店は少し奥まって、そしてひっそりと佇んでいる。っと、もとい。ひっそりというよりは、爽やかに、といったほうがピッタリとくるだろうか。「ブラッスリー ジェルバ」は、さまざまな面において“風”が感じられるレストランだからである。
チュニジアの爽やかな風が感じられる店内。 |
オーナーは出身地であるチュニジア北西部の「クリブ地方」、この地域にあるとあるレストランの味がたいそう気に入り、そこで働く女性ふたりをスカウトした。そのふたりの女性がいま、このレストランで腕をふるっているのである。
この女性たちはかなりのベテラン格。料理の腕にブレがないのが魅力的なのだが、それ以上におふたりが醸し出す雰囲気もこれまたおいしそうで、妙にそそられる。
よく下町の定食屋さんで、カウンター越しに手際よく料理をつくっているおばちゃんっているでしょ。いきいきとしていて、見ているだけでおいしさが増してくるような、そんなおばちゃん。このチュニジア人女性たちがまさにそんな感じ。カウンター越しに料理を作っている様を見ているだけで、料理のおいしさ、温かさが増してくるんです。