「 新鮮な素材はダシいらず。味つけと調理法もシンプルが一番 」
ということを、わたしがよくおじゃましているベトナム料理店“フォーベト”のシェフ、ワッチ・キム・イエンさんに何気なく話したところ、共感してくれ、ベトナムのシンプルな調味料の代名詞ともいえる、“塩”の日常使いについていろいろと教えてくれました。
とても面白い内容だったのでご紹介したいと思います。

ベトナムでは、塩にいろいろな材料を混ぜ合わせ、ご飯やスープ、ゆでた鶏肉、野菜などにかけたりつけたりしていただきます。
昔はすべて家庭で作っていたのが、いまでは市場でも売られるようにはなりましたが、一般家庭には4種類の混ぜ塩が常にテーブルに置いてあり、好みに応じてかけていただいているそうです。



地方や家庭によって数え切れないくらいの混ぜ塩があるかと思いますが、今回はベトナムで認知度の高いものを12種類ご紹介いたします。
(ちなみにこの12種類は、料理好きの祖母、母のもとで育ったイエンさんが、幼い頃から自国の食文化に興味を持つようになり、様々な文献を調べた結果、唯一紹介されていた著名作家の文献で紹介されていたものをベースにしています。)

まず、写真一段目左手前から順に
■精製塩…野菜を茹でるときなど調理用に使用。
■粗塩+たたきしょうが…風邪をひいたときに舐めたり、飲み物にいれる。
■微粒子塩+こしょう+レモン…茹でた鶏肉やアヒル料理につけて。
(牛肉と豚肉にはつけない)一般的にハノイで好まれている。
二段目の左から
■微粒子塩…ご飯にかけて。
■粗塩+たたき唐辛子…甘酸っぱい果物に(パイナップル、ザボン、青いマンゴーなど)一般的にホーチミンで好まれている。
■粗塩+レモングラス+豚バラ肉+玉ねぎ+唐辛子+海老みそ(乾煎りしたもの)…おかゆのトッピングに。

(写真上の奥をアップにしたものがこちらの写真です)


手前から
■微粒子塩+干しえび+玉ねぎ+こしょう+唐辛子(油で炒めたもの)…おかゆのトッピングに。
■微粒子塩+白すりごま…ごはんやおこわ、スープにかけて。一般的にハノイで好まれている。
■微粒子塩+こしょう…肉の焼いたものやゆで卵に。

奥手前から
■微粒子塩+干しえび+にんにく+こしょう+唐辛子(油で炒めたもの)…おかゆのトッピングに。
■微粒子塩+クラッシュピーナツ+砂糖…おこわやご飯にかけて(特におこわがよく合う)。ホーチミンで好まれている。
■微粒子塩+えびの頭+唐辛子(乾煎りしたもの)…ご飯にかけて。

先ほどお話した、一般家庭で常備している4種類の混ぜ塩は、すりごま塩、唐辛子塩、こしょう塩、ピーナツ塩です。

では、つぎのページで混ぜ塩が実際どのように供されるのか、一般的な定食でご紹介したいと思います。