電球を藁でくるんであるのがお洒落! |
決して広いとはいえない店内には、豪華な花やセンスのよい調度品が置かれ、あいかわらず清潔感に満ち溢れている。
奥の一般家庭のような調理場では、オモニがひとりでせっせと働いているのが見える。以前来店したときには客は私ひとりだったのでのんびり作っていたが、今は日本客が多くなったようで、とても忙しそうだ。
今回は注文したのは、キムチ類、つぶ貝ムチム、海鮮チヂミ、ボサム、ソルロンタン、タコ炒め。
正直言って、海鮮チヂミ、ボサム、タコ炒めはあまり印象に残らなかったけれど、スープ、タレ、キムチは明らかに他店とは違い、洗練されている。優しく澄んだ味とでもいえようか、丁寧に作られているのがよくわかる。思わずキムチをテイクアウトしてしまったほどだ。
濃厚なスープがクセになる“ソルロンタン” |
料理店に来ているのにあらためてこんなことを思うのはおかしいかもしれないが、この境界線が曖昧になりがちな韓国家庭料理店において、「店」意識をしっかり持っているムグンファは、貴重な店だといえるのではないだろうか。
今回の浅草だが、街にはそれぞれさまざまな顔があり、駅から離れた人通りの少ない道をそぞろ歩きしてみると、面白い発見がある。ムグンファもそんな賜物のひとつだ。
私は、普段女性がひとりで入らないようなエスニック料理店でも、気になったらとにかく入ってみる。すると店の人は意外な客に驚き、声をかけてくる。そこから店の人との会話が始まり、とても充実した楽しい時間を過ごすことができるからだ。
鼻のきくまま気の向くまま、“食”にスポットをあてて街を散策するのは本当に楽しい。東京は日々変貌していると落胆している人もいるだろうが、視点を変えれば自分なりに結構楽しめるものだ。
東京のさまざまな街角で、自分に合った空気や味を探しにぶらりと出かけてみてはいかがだろうか。
■韓国家庭厨房「ムグンファ」
所在地:台東区浅草4-39-1
TEL:03-3871-6441
営業時間:月~金 12:00~14:00 16:30~24:00
土日祝 16:30~24:00
定休日:なし
交通・アクセス:東京メトロ都営浅草線浅草駅より徒歩15分
地図:Yahoo!地図情報
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