シコシコと弾力のある麺にひんやりとした透明スープ、真っ赤な甘辛いペーストがねっとりと絡んだ濃厚な麺。
猛暑でほてった体に、これらの麺をスルスルっと入れれば、あら不思議。
酢の酸味につるつるの麺、複雑に絡み合う旨みが一体となり、食欲がないときでも身体にすんなりとはいってきて、元気がみなぎってくる。
水冷麺
平壌式の水冷麺。そば粉を主体に作られる麺は、コシはあるけれど噛み切れるかたさ。スープにいかに旨みを加えるかがおいしさを左右する。

そんな麺の正体といえば、日本でも焼き肉料理店や韓国家庭料理店を中心に浸透している韓国麺の代表選手、冷麺である。

そもそも、その冷麺自体は、北朝鮮が本場。
一般的に、そば粉を主体に打つ麺に冷たいスープをはった、平壌(ピョンヤン)地方発の「水冷麺(ムルレンミョン)」と、ジャガイモやサツマイモなどのでんぷんを原料に作る麺に、唐辛子ダレを混ぜていただく汁なし麺、咸興(ハムン)地方発の「ピビン冷麺(ピビンネンミョン)」。このふたつが有名だ。

ピビム冷麺
咸興式のピビム冷麺。麺は細めで驚くほどコシが強い。濃厚な甘辛ダレが後をひく辛党にはたまらない麺だ。
ジャガイモなどのでんぷんから作った咸興式の麺は、そば粉主体の平壌式に比べて麺が細く、噛み切れないほどコシが強いのが特徴である。というと、あら、“噛み切れない”ほどコシが強いということは、さぞ食べにくいのでは?なんて思ってしまうかもしれないが、そこはご安心を。

たいていの店は、サーブするときにお店の人が麺をザクザクっと切ってくれるので大丈夫。食べやすくなっているから心配はご無用。とはいえ、たまに切ってくれない店もあるので、そんなときは、臆することなくお店のひとに切ってもらうよう頼んでみよう。

とまあ、平壌式と咸興式冷麺の違いは、スープのありなしだけでなく(平壌式に汁なし麺、咸興式に汁あり麺もありますよ)、麺にも違いがあることにも注目したい。そこで、麺の違いやおいしさを楽しんでいただけるよう、“自家製の手打ち冷麺”を堪能できる店を何軒かご紹介をすることにしよう。

キレのいい澄んだスープや甘辛いタレが絡んだ冷麺。ぜひあなたの好みの冷麺を見つけてくださいね。

■平壌式:自家製手打ち麺の店
冷麺専門店「KORYO浅草橋本店」
東麻布「元祖 平壌冷麺屋」

■咸興式:自家製手打ち麺の店
新大久保「オジャンドン」
赤坂「母心卿 チョンギワ」
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