やっぱりこの冷麺店には通ってしまう旨さがある

ここ数年で、冷麺を“ウリ”にする店が増えたように思う。以前は、額に汗してハフハフと焼き肉を頬張ったあとに、キリリと冷えたスープが心地よい冷麺でクールダウン。という流れが一般的で、冷麺は主役というよりは、むしろ焼き肉店の脇役?に近い存在だった。が、ここにきて状況がちょいと変わってきている。

韓国ブームに乗ったから?それとも盛岡冷麺(東京進出をはたした「ぴょんぴょん舎」の勢いはすごいものがありますね)が注目されたから?いや、盛岡冷麺は韓国ブームに乗ったのでは・・・とまあ、いろいろな見解があるとは思うが、そのあたりはさておき、とにかく、冷麺を前面に出した店は数えるくらいしかないのが実状であった。
水冷麺
味もさることながら、見た目もうっとりしてしまうほど美しい。スープの香りにも品が。

そんななか、冷麺専門店と銘打ち、なかでも自家製手打ち麺を使った冷麺のおいしさを広めた先駆者の1店がこの「KORYO」である。“平壌の高麗ホテル直伝の味”を掲げたこの店は、各メディアでもひっぱりダコの有名店。

初めてこの店を訪れたのは、かれこれもう随分前になるのだが、初めて口にしたときは、そのスープの味と麺の食感にシビれ、いままで抱いていた冷麺の概念が一気に覆された。大袈裟でなく、口にしたときはしばし呆然としてしまったほどだ。
その後、手打ち冷麺の店を探しては、ちょくちょく食べに行っているのだが、平壌(ピョンヤン)式冷麺となると、私はやっぱりこの店が一番好き。

外観
浅草橋駅からほんの徒歩1分。忽然とあらわれる素朴な佇まい。
そもそも平壌式は、麺の原料にそば粉を多く使い、かたさは適度に噛み切れる程度の食感に仕上げるのが特徴だ。いまは状況が変わってきているようだが、平壌冷麺といったら、本来「水冷麺(ムルレンミョン)」が有名。(ちなみに、麺の原料にさつまいもやじゃがいもなどのでんぷんを使う「咸興(ハムフン)」式は、汁なしのピビム麺が有名だ。)

ここの麺はやや細め。色は黒くはない。聞けば、そば粉のほかにじゃがいものでんぷんを加えているのだという。なるほどね。だから、食感もそば粉の含有量が多いタイプよりも、コシが強いのか。