「~potimarron et truffe~ かぼちゃのスープ、トリュフのアイスとノワゼットの泡」
かぼちゃとトリュフ、それぞれの香りもいいのですが、両者が口の中で出逢った時に放たれる魅惑的な香りときたらもう。ヘーゼルナッツの泡が、この香りを逃さない役目を果たすと同時に、次の料理(ナッツを好むバスク豚)への橋渡しをしてくれています。
「~porc~ バスク豚のナノ単位の火通し」
圧巻だったのはその温度! 通常塊で火を入れると、肉の中心部分の温度は「ほんのり温かい」程度。が、この一品は中心まで「しっかりと温かい」のです! それでいて均一&鮮やかなロゼだから凄い! 細胞膜が破れるか破れないかというギリギリの火入れが施され、噛み締めた時に旨みがじんわりと溢れ出すのですが、このくらいしっかりと熱が感じられると、肉の旨みもより一層強く感じることができます。
火入れが最も素晴らしいと思える岸田シェフ(「レストラン カンテサンス」シェフ)の豚でも、ここまで温度は高くありません。はじめての感覚でした。はじめての感覚と言えばもうひとつ。アクセントとして添えられているリンゴの種を食べると、生のアーモンドのような香りがふわっと舞うのです。こんな香りがすること自体目から鱗ですし、ナッツを好むバスク豚とも抜群の相性! いろいろな発見があった一皿でしたね。
また、この料理に合わせるピンクペッパー&グリーンペッパーを練り込んだパンは、シャープな辛みがやや強めに効いているので、間接的に豚のおいしさを盛り立ててくれます。