パン/パン屋さん取材レポート(東日本)

ポワンタージュ(麻布十番)

麻布十番にあるブーランジェリーで、生地を18時間寝かせる長時間発酵が特徴。数種類あるリュスティックや、あま~いデニッシュ類が特におすすめ。「リュスティック マロングラッセ」は必食です!

執筆者:来栖 けい

麻布十番といえば!

外観
路地裏にある「ポワンタージュ」の外観。
麻布十番の路地裏にひっそりと佇むベーカリーカフェ。兄の中川清明さんがパン、弟の英司さんが料理を担当する、家族経営のお店です。


18時間の長時間発酵!

店内
ショーケースに並べられた魅惑的なパンたち。
「一次発酵」という店名の通り、「ポワンタージュ」のパンは、イーストを通常の20分の1に抑え、生地を18時間寝かせる長時間発酵が特徴。長時間発酵させることで、モチッとした力強い食感が生まれ、粉そのものの旨み、甘みもぐぐっと出てくるのです。「噛み締めることの心地よさ」を実感させてくれるパンたち、っていうことですね。


購入必須のリュスティック!

ドライトマト・オリーブのリュスティック
濃密な酸味がたまらない「ドライトマト・オリーブのリュスティック」(231円)。
特に素晴らしいのが、数種類あるリュスティックとあま~いデニッシュ類。前者は、プレーンタイプのほか、バターソテーしたとうもろこしを練り込んだ「とうもろこしのリュスティック」(157円)や、セミドライトマト&ブラックオリーブを練り込んだ「ドライトマト・オリーブのリュスティック」(231円)などがあり、それぞれが全く違った表情をもっています。


「ポワンタージュ」一番のおすすめです!

リュスティック マロングラッセ
午後2時頃に焼き上がる「リュスティック マロングラッセ」(252円)。
中でも、甘く濃厚なマロングラッセを練り込んだ「リュスティック マロングラッセ」(252円)は傑作中の傑作です! 小さく刻んだマロングラッセをたっぷりと練り込んだ、素朴感溢れるリュスティックなのですが、長時間醗酵させた生地(適度な気泡がみられる)は、ムッチリとしていながら抜群の歯切れよさ。水分がしっかりと保たれているので、ひと噛みごとに口中が潤う感じ。比較的穏やかな味の広がりを魅せてくれます。


リュスティック マロングラッセ
売り切れ御免の人気商品です。
おいしさを決定づけているのは、何といってもマロングラッセ。適度なホックリ感を感じたかと思えば、瞬く間にほろほろと崩れ、極上のしっとり感を放ちます。これ自体がとても濃厚で、持続性のある風味を備えているので、ひとくち食べた時にたとえ出くわさなくとも、常に鼻孔にはその風味が残っています。極端な話、一度マロングラッセを口にすれば、その後は生地だけ食べても「栗」を感じることができるというわけですね。


リュスティック マロングラッセ
リュスティック界最高の一品です。
このマロングラッセの濃密かつ上品な甘みが、生地の旨みをやさしく包み込む。そしてそれを私たちが強く噛み締めることで、私たち自身もそのやさしさに包み込まれていく。そんな豊かさに満ち溢れたパンだといえます。
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