神戸グルメ/神戸・兵庫のフレンチ

ル・ベナトン(3ページ目)

夙川にあるブルゴーニュに特化したレストラン「ル・ベナトン」。豊富に揃っているブルゴーニュ・ワインも魅力の一軒です。

執筆者:麻生 玲央

最高のエイ料理


・魚料理
淡路産「エイ」のソテー。
淡路産「エイ」のソテー。ソースとも相性抜群です。
続いては、兵庫フレンチの要とも言うべき「魚料理」の登場! やはり、淡路にも近いだけあって、兵庫の魚貝類は特筆クラスですが、この日は淡路産の「エイ」が入荷したという事で、このエイを使ったソテー(ソースはエシャロットと白ワインヴィネガー)が供されました。

今まで「エイ」は国内外問わずに食べてきましたが、淡路産のエイは、さすがに鮮度が高い上に、ゼラチン質がたっぷりで、その食感をオノマトペ(擬音)で例えると、プリプリを超えて、もうプリュンプリュンの域。鮮やかな縞模様のヒレに、大ぶり肉体美と肝のぽってり感は、官能的な色気すら感じさせるほどでした。

味わいについては、シンプルにソテーされた料理だからこそ、素材の質と活かし方がポイントとなるのですが、とりわけ「火入れ」が素晴らしく、極みともいえる素材の活かし方に心を打たれましたね。

淡路産「エイ」のソテー。
エイは、この「肝」がとびきり旨い! 鮮度抜群だからこそ出せる部位なのです。
身やヒレが美味しいのはもちろん、「肝」に至るまで、エイの魅力をここまで表現しきったエイ料理は、世界中どこを探しても他にないのではないかと思うほど、超絶クォリティな逸品。まるで、口の中がエイが泳ぐ海遊館になったような、そんな気持ちにすらなれましたね。

さらに、エイの下には「茄子」と「蓮根」を「キャベツ」で包んだものが敷いてあり、これがまた素晴らしい出来なのです。というのも、野菜は農家直売所でシェフ自らが厳選して買われているだけあり、質の高さは申し分なく、これだけのエイ料理と並んでも、決して脇役の添え物にならず、エイと並ぶ主役級の存在感を魅せつける、という見事なるもの。全てにおいて、この完成度ですからシェフのセンスと実力は計り知れません。エクセラン!

次ページでは、シェフのスペシャリテである煮込み料理を御紹介します
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